上記の記事を書いてから、早1年…。
あっという間の1年でした。
偉そうに、転職や仕事への想いについてつらつらと書き綴ってきましたが、さて1年経ってどうなんだい!!
…ってな話ですよね。
この記事では、11年間国産自動車ディーラーに勤め、メーカー資格フルコンプリートしある程度の出世は確約されていながらも、同じ店舗で働くサイコパス先輩に我慢ならずに、転職を決意したわたしの実体験談です。
転職に不安を感じていたり、リアルな実体験談を聞きたい!という方にお届けします!!
1年経過後の日々の業務実態
日々の業務は、整備士なので当たり前のことながら自動車整備に勤しんでいます。
そんなわたしの日常を掘り下げていきましょう。
車両特有の知識はどうあがいても勝ち目ナシ!でも経験の長さは強み!
馴染みのないメーカーのクルマに、故障診断含めやっていけるだろうか?という不安がありましたが、メーカーが変われどクルマの基本は大きくは変わりません。
細かい部分の車両個々の整備情報などは未だにわからないことが多いですが、その部分の優位性はどうあがいても勝ち目はないので諦めています。
なんなら、恥じることなく3年目の若いスタッフに分からないことはバンバン聞いていくスタイルです(笑)
その代わり、整備士としての基礎・基本的な知識やノウハウはわたしのほうが上なわけですから、ギブ&テイクでメーカー車種問わずにわたしが教えられることならば、もちろん指導も行っています。
先輩・後輩問わずに学びつつ(インプットしつつ)、アウトプットできるという環境は心地が良いものです。
残業時間は減方向の流れ。サービス残業は0
残業時間はおおむね30時間前後です。
前の会社もいまの会社もサービス残業はありません。
むしろ、上司がかならず残業はちゃんとつけろと言ってきます。
この点は、前の会社もいまの会社も店舗が違えばサービス残業が常態化しているところもあるので、正直上司ガチャに「当たる」か「ハズレる」かの違いなのかなと思います。
ちなみに、残業時間や就業規定、コンプライアンスに厳しいうえに、作業時間は整備を「省く」ことでもしなければ間に合わないような時間を求められる国産ディーラーにいたわたしにとって、現在在籍している輸入車ディーラーでの一日の動きはムダやロスがまだまだ多いように感じました。
そこで、省くことなく時間の意識を強くして、なおかつ収益をあげることに日々の業務から各スタッフに声掛けをして意識付けしています。
おかげさまで、わたしが入社する前は40時間以上の残業が当たり前だった職場も、20時間ちょいで終わる月も出てきています。
個人的に、いくら仕事が多かろうが朝から
よし!今日は少しでもはやく帰るぞ
という気持ちを頭の片隅に置くか否かで、同じ作業量をこなすにしても数十分単位で退社時間は変わると考えます。
ちょっと、フロントスタッフに用があるからショールームまで行く…というときに、小走りなのかマイペースに歩くのか?
ただ移動する・歩くという行為の中にこそ時短のヒントは隠されており、時短のために整備作業を省くことは絶対にNGです。(法定点検でドラムブレーキを分解整備しないなど)
これができたうえで、後は入庫のコントロールと売り上げの効率化によって、個人的には通しで20時間前後の残業時間に抑えることが十分に可能と考えているので、これからまだまだ頑張っていく所存です。
ちなみに早朝残業とかも一切しません。
始業時間の20分前くらいに出社してます。
前の会社では1番に出社して、その日貸し出すサービスカーを自主的にすべて洗車したりしてましたが、いまは一切そういったことはしていません
インカムは情報伝達ツール?いえいえ楽しく仕事するためのツールです
わたしの仕事をする上でのモットーは以下の3つです。
- 上司部下問わず、笑って楽しく仕事する
- 営業、整備士、フロント、レセプション(事務)問わず、笑って楽しく仕事する
- プライベート最優先、プライベートの二の次が仕事
そして、この要素を阻害する要因のひとつがインカムだと考えています。
インカムはとても便利なツールですが、顔と顔を合わせずにやり取りできるので、ひとによっては対面でやり取りするよりも攻撃的な口調・トーンになりがちです。
前の会社にいたサイコパス先輩も、まさにそんな種族でした。
目の前にいても直接言わずに、あえてインカムを使って全員に聞こえるように、対象者をとがめたりしていました。
これ、本人も嫌な思いをするのはもちろんですが、何より関係のない周りも胸のあたりが何だかモヤモヤしちゃうんですよね
これは本当に最低・最悪な実用例です。
イヤな思いを散々してきたわたしは、絶対に自分はそうならないと神に誓っています(笑)
まずは、支店内のみんなにこう伝えました。
インカムでの声って暗いトーンになりがちだから、普段の自分のしゃべり声から1つトーンをあげて使いましょう
…と言っても、なかなか浸透しません(笑)
ですので、場面で判断して今は支障がないはずというタイミングで、あえてインカムでのやり取りのなかで、笑いを取りに行く冗談を入れていくよう心掛けています。
そんなことを続けていると、支店内の他のスタッフもその冗談に乗っかってきたり、わたしが発信せずとも冗談を言ってくれたりしてくれるようになりました。
もちろん、それらのやり取りはスタッフ全員の耳に届いているわけで、そのやり取りで笑ってくれてるスタッフを見てると、こちらも楽しくも嬉しい気持ちになります。
笑うって大切ですよね。
笑える職場っていいですよね。
ですので、インカムはやり取りのためのツールであることはそもそも当たり前のことなので、そんなことは隅に置いておいて、楽しく仕事をするための便利ツールとして有効活用させてもらっています。
ただ、いつかタイミングを見誤って、真剣に接客をしているスタッフの耳を煩わせたりして怒られやしないかと内心、冷や冷やしているのはここだけの秘密です。(笑)
怒涛の1年間で、自分をブランディング
わたしは、転職活動で前職での実績をアピールしたうえで「年収が下がるようなら転職しない」ことを前提としていました。
もちろんこれにより、自分自身が納得できるものは勝ち取ることができたわけですが、果たして周囲はそれに見合ったものだと評価してくれるのでしょうか。
これはすべて自分次第であることは当然のこと。
自分の強みをアピールして転職した以上、それに見合った…いやそれを超える実績を残さないとカッコ悪いなーと。
というかそれが責任でもあります。
なんて本当はそこまで深くも考えていませんが、ただただまじめに仕事をして「良いものは良い」「ダメなものはダメ」ひたすらに正直に仕事をしたまでです。
ただ、それが結果的に自分のポジションを明確にし、かつブランディング化することに繋がりました。
終礼を任されるようになった
割と早い段階(入社後2~3ヶ月)から、支店長より終礼はわたしが仕切ってやることを打診されていました。
ただ、終礼も忙しいのを理由にできたりできていないことも多く、うやむやなままでした。
しかし、本格的に残業時間削減と工場内の片づけを、手早く終わらせるために営業スタッフも手伝うことになるのをキッカケに、終礼は100%実施できるようになりました。
インカムで集合の合図をし、その日の残業時間を踏まえてその後の片づけの段取りや、進捗次第では仕事の入れ替えなどを、翌日のスケジュール確認&踏まえたうえでおこないます。
司会進行、指示はわたしが実施します。
当初支店長からお願いされたことと合わせて、現場長からもわたしがまとめていくようにと言われました。
柔軟な対応に感謝です。
新人(後輩)のマネジメント・相談を任されるようになった
入社年度が同じ新人スタッフは、一般的に業務をこなすことに難がありました。
トドメは、リフトからクルマを落としてしまいます。
それを機に、わたしの口から整備禁止令を発動。
(発言には大きな責任も伴うのこともあってか、誰もそこまで踏み込めずにいたことにモヤモヤしてました)
その後新人スタッフはズルズルと、雑用・洗車をメインの仕事としていました。
もちろん本人のモチベも低下し、癇癪(かんしゃく)を起こしたり運転にも難があるなどで、会社からは退職の方向にもっていくように…というお達しが内々にありました。
そんななかでも、こちら側から辞めさせるわけにはいきませんから幾度となく彼の扱い方について業務終了後に上司たちと話し合いを重ねました。
わたしたちの指導も「煩わしい」と捉えられて、本社に母親とクレームを入れられたくらいです(笑)
その後、紆余曲折合ったものの本人の転職活動失敗を機に、モチベが上向きなものとなってきたところで、改めて支店長わたし、新人スタッフ本人の3人で話し合いの場を設けました。
わたしの口から「ツナギを脱いで今後はフロントのアシスタント業務をメインにすること」「仕事として整備に従事することはうちの会社ではもうない」ことを伝えました。
本人の見違えるような心身の成長により、この打診を快諾してくれました。(ちなみの本来はこのようなポジションを会社は認めていない)
これにはただただ感謝です。
新人スタッフ君には本社に名出しで、文句言われましたがそんなこと関係ありません。
わたしは上司である以上、彼が新たなポジションで唯一無二の存在として評価されるために全力でサポートするのみです。
そんなことにすら、楽しみややりがいを感じるほどに気持ち的な余裕が出てきたということでしょうか。
新人のコーチに任命された
在籍2年目となった今年、入社し配属された新人スタッフのコーチはわたしが担っています。
とは言え、これは頼りになる4年目の若手たちのサポートも手厚いので非常に心強い限りです。
わたしが教えることは、あまり技術的なことは多くないと個人的には考えています。
それよりも、人間力を養うことに重きを置いた指導をしています。
ただ、偉そうに上からモノ申すのは柄ではありません。
わたしもまだまだ若輩者です。
という謙虚な気持ちを忘れないようにしたいものです。
工賃売り上げ同ブランド社内トップ/月をとることが増えた
社内にはいくつかのブランドがあり、ブランドが異なればレバレートも異なるので比較はできませんが、わたしが在籍しているブランドは社内でも最も店舗数の多いブランドです。
国産にいたときよりもシビアに整備士全員が自身の工賃の進捗を把握しており、数値目標を立てています。
なんだかんだ言っても、10年以上の整備経験があるのでミッション脱着やタイミングベルト交換といった重整備に特に抵抗はありません。
また、わたしの店舗は車検整備・一般整備、診断の作業バランスは、現場長を除いた他のスタッフ間で差異がありません。(車検ばかりしていたら工賃がもっとも効率よく上がりますが、そういうわけではありません)
そんな環境で、同ブランド社内トップの工賃売り上げ/月を取ることがちょこちょこと増えてきました。
入社して半年ほどで、はじめて単月でトップを取ったはずです。
転職1年未満で【半期の工賃売り上げ同ブランド社内トップ】達成!
転職・入社して1年少々経過したとき、たまたま店舗にいらっしゃった社長から以下の事実を知らされました。
先日の会議資料にもあったけど、ヒロ君直近半期のトータル工賃売り上げ社内トップでしたね!
特に意識をしていなかったので、そんな事実があったことに驚きを隠せなかったのと同時に、しっかりと目に見える形で結果を残せていることに安堵感を覚えました。
CSの店舗リーダーに任命された
当社では半期ごとに、どの会社でもよくあるCSの発表大会があります。
予選→本選…と半年に一回総仕上げをするのですが、それのみならず月に一回の全店のリーダーが集まっておこなう会議や、店舗内でのミーティング、取り決め内容の報告など、やること盛りだくさんです。
Excel、PowerPoint、Googleフォーム、Googleスプレッドシートなどなど、こんなにも日常的に使わなければいけない時がくるとは思ってもみませんでした
さて、そんな取り組みのリーダーは誰しもが面倒に思うものでして…(もちろんわたしも(笑))
そんなリーダーに選出されてしまい、てんやわんやと日々活動をおこなっています。
ただ、ここ数年万年ブービー争いをしているわたしの店舗なので、ここからは上がるしかないです。
たまたまそんなタイミングで任されたのならある意味でチャンスです。
下がることがないのですから!
ここでも、結果を残すチャンスです。
というわけで、わたしの目標は決勝に駒を進めることです。
案外こういった類のものは、伝え方をいかに工夫してそれっぽく魅せるかが大切だと考えています。(笑)
新たにやることを考えるようなクリエイティブな発想は、わたしは苦手です。
案外CS活動として何か考えてやるよりも、普段の何気ない話し合いや行動が実は活動に繋がっていた!!…といことが多くあるので、そういったところを見逃さないようにします。
かつ、いかにそういった内容のものをうまく魅せることができるのかですね
転職後初の昇給は、店舗内1位の昇給額!
転職からちょうど1年を迎え、昇給の季節となりました。
そんな折、ふつうに仕事していると支店長に「ちょいちょい…」と呼ばれました。
はて?なんだろう??…と思っていると、耳打ちで
ヒロくんがウチの支店で、一番昇給アップしてるからね!
それは会社を店を良くしようと、そして出世するために自分のことだけでなく本気で周りのスタッフのことも考えて発言・行動してくれてるから、それが評価されたということだよ
…とおっしゃってくれました。
割と日頃から、自分のことをどう思っているのか聞かせてくれるのですが、今回のように実際に目に見える形で評価が反映されると、その喜びもひとしお。
ワクワクしながら、給料日を迎えるとなんと【8,750円】も基本給がアップしていました。
これ、すげぇえええええええええ!!!!!!!!!!
…と興奮していましたが、Twitter界隈の自動車整備士のみなさんも割と同じくらい昇給されてる方がいて、みなさん凄いなぁと実感しました。
前の会社でもある程度評価はされていましたが、昇給額やほかのスタッフとの差が頑張りに見合った分あるか?…と言われると、その点は満足できませんでした。
さらに言うと、本人の実力に限らず店舗によってどうしても差が生まれることもあり、不甲斐ない思いをするスタッフもいました。
実績とのバランスを考えても、明らかにこのひとだけ昇給・昇進スピードが違うくない?ということもありました。
大きい会社がゆえに、見えない【政治力】が重要であることが分かる良い例です。
いまの会社は、以前いた会社よりも規模は小さいですが、その分風通しも良く、実績や人となりに見合った評価が得られやすい環境にあると感じています。
もちろん、いまの上司に恵まれているということもあるでしょう。
自分にとってプラスな環境である今のうちに、しっかりと結果を出して早く、昇給だけではなく昇格を勝ち取りたいです
今後の本社会議の参加に社長より名指しで招集を受ける!
サービスマネージャーが出席する本社会議は、ほかの支店ではもう一人フロントスタッフが加わり計2名体制で出席していることが多いです。
そんななか、わたしの職場からは長らくサービスマネージャー一人での参加でしたが、この度、社長からのご指名を受けて、整備士であるわたしが参加することになりました。
元々、『早く管理職になって今後人材の確保が難しくなる自動車整備士が、働きやすい職場環境やシステムを構築したい』と伝えて入社したこともあり、社長もそのあたりのわたしの意思を汲んで、どんどんそういった場に呼んでくれているのだろうと感じています。
もちろん、数字についてとことん詰められる会議への参加は精神的な負担もかなり大きなものとなるでしょうが、今後の自分自身のステップアップと、先の自分自身の目標・夢の実現のため、しっかりと与えられたポジションでも期待に応えられるよう心して臨んでいきたいです。
賞与評価が社内の全整備士中トップ!
昇給の話があってしばらくしたのちに、またまたふつうに仕事していると支店長に「ちょいちょい…」と呼ばれました。
はて?なんだろう??…と思っていると、耳打ちで 言われました。
ヒロくん、ウチの整備士のなかで一番の評価やからね
ウチで?あぁ、ウチの支店でってことですね!
違う違う!!!社内でトップってことやで!全整備士のなかで
ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
転職後して入社1年目の、夏と冬の賞与額は決まっていたので、実質今回(2年目の夏のボーナス)が初の評価制度に乗っ取った評価になります。
工賃の売り上げはもちろんですが【会社を良くしたい・同僚たちのことを考えたうえで前向きに意見している】ことが、その評価の大きな要因だと教えていただきました。
身に余る評価をいただけたことは予想だにしなかったことであり、特にそういった仕事への姿勢という部分も踏まえたうえでの評価ということが、本当に心の底から嬉しかったです。
評価していただているということはそれに見合った結果を出し、活躍しなければいけません。
豚もおだてりゃ木に登る…というわけではありませんが、お尻に火がついてさらに仕事に対するヤル気がみなぎってきた感があります
まとめ【30代自動車整備士の転職記録③】
そんなわけで、転職して1年が経過したうえでの総評です。
やることも増えて考えることも増えましたが、、単純にこれは社会人としてのスキルが高まっていると考えれば、むしろ歓迎すべきことだと思っています。
また、ストレスも格段に減りました。
そして、何より不安だった「よそへ行ってもやっていけるのか?」その答えは、たった1年でも数字と評価でしっかりと確認することができました。
やってもやってこなかった人間との差がない、むしろ表向きは立派できちんと熟考を重ねた評価制度でありながら、ふたを開ければ要領の良さや社内政治で決まる。
その人の人間性や考え方なんて、キャリアシートにいくらみっちり書こうが何の意味もなさない評価制度に疲弊していたわたしですが、社会人人生で初めて自分がやってきたこと・考えてきたことをちゃんと尊重してもらった評価をいただけました。
そりゃ、転職成功と言えるでしょう!!
もちろん、これに一切おごることなくいなければいけません。
なにかで評価されたり結果を出すことで、自分は他人より優れた人間だと勘違いをしてしまい、結果そんな考えが根本にあるうちは、多くのひとを知らず知らずのうちに傷つけていくに過ぎない人を多く見てきました。
逆にそんな人からの被害を受けたことが、わたし自身の転職につながったこともあり、自分自身がその方向に進むことは一切あってはなりません。
#メカラジ出演やTwitterでの日頃からのみなさんとの繋がりにもあるように、わたしの夢・目標は以下のとおりです。
- 自動車整備士を夢のある職業にする
- 自動車整備士が満足のいく十分なお給料をいただける仕組みづくり
- 自動車整備士を辞める人を一人でも無くす
- 若い自動車整備士たちが働きやすい環境づくり
まずは、自分の店舗からコツコツと。その次に自分の所属する会社、そして会社という垣根を越えて…
もし、いまの会社に不満や疑問符を持っており、ストレスにも悩まされているひとのなかで、自動車整備という仕事に誇りと自信を持っているのであれば、どこでも通用します。
大切なのは転職に際して、自分を安売りしないこと。
行動に移せる人なら絶対に結果は後からついてくると思います。
これは自分自身の経験をとおして確信しています。
そんなわけで、『第3回 整備士ヒロの転職記録』もここまで。
また気が向いたら徒然なるままに、書き綴ろうかなーと思います。