上記の記事でも紹介していますが、ディーラー以外で中古車を購入する方法は、おおむね以下の4パターンにわけられます。
- 全国チェーンの大手中古車専門店の中古車
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
わたしの実体験をもとに、これらの中古車購入をなぜおすすめしないのかを解説します。
ディーラー以外で中古車を購入するメリット
はっきり言って、メリットらしいメリットは
「安く買えることもある」…この一言に尽きます。
最近は、クルマを買ってくれたユーザーは条件こそあれど「オイル交換が永久無料」といった特典をつけるお店もありますね。
とにかく、なんとなく安くすませることができるとユーザーが感じるところがメリットではないでしょうか。
ディーラー以外で中古車を購入するデメリットを5つ紹介
次に5つのデメリットを紹介します。
それぞれ、先ほど紹介した中古車の購入方法のなかでどれがそのデメリットに当てはまるのか、またその理由もふくめて解説します。
この5つのデメリットが、ディーラー以外での中古車の購入をおすすめしない理由です。
1.安かろう悪かろう
これが当てはまるのは、以下の買い方です。
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
これはもうクルマに限らず言えることで、安かろう悪かろうなんですよね。
これはあくまでわたしのまわりの話として聞いてもらいたいのですが、街中にある個人経営のクルマ屋の9割は信用できないと思っています。
市場より安い値段で買った中古車が、なんだか様子がおかしいと思いディーラーに入庫。
実は事故車で購入後に高額な修理費用が必要となった…
という事例をほんとうにたくさん見てきました。
2〜3000kmしか走っておらず、新車から半年しか経っていない業者オークションから仕入れたクルマのようでした。
不審に思い点検すると、シートなどは新品同様に交換された水没車だったのです!
見えない部分のハーネス(配線)やユニットは錆だらけです。
水没による不動車を安く仕入れ、しかも修理はディーラーに丸投げです!!!
その後、エンジンがかかるとマフラーからは大量の水が排出され白煙が…。
その後、そのクルマ屋は中古車として販売したようです。
もちろん、正直に水没車とうたって販売するはずなどありません。
中古車を購入した人が、その後さまざまな車両トラブルにあっていないことを祈るばかりです。
2.事故歴・修復歴を偽るお店がある
これが当てはまるのは、以下の買い方です。
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
エンジン載せ替えで高額な修理費用が必要だから、乗り換えたほうがいいと説得され、希少なクルマでしたが泣く泣く手放しました。
しかし、1週間もしないうちにそのクルマ屋の中古車として販売されていました。
車両価格は15万円、そこまで高額な修理費用が発生したとは考えづらいものでした。
それもひどいのですが、それよりも驚くべきことがありました。
中古車情報誌に掲載されている元愛車は「事故歴なし」となっていました。
しかし、実はわたしが購入直後に横転事故を起こして以降、ハンドルから手を離すとすごい勢いで左に寄っていくという、まともに真っ直ぐ走らないクルマだったのです…。
その事実は、そのクルマ屋のひとは全員知っていました。
なぜ、このようなウソが成り立つのでしょう。
それは「自分は知らなかった。」が成り立ってしまうからです。
業者オークションで仕入れたクルマなら、「出品していた業者がウソをついていた」
ユーザーからの下取りならユーザーが「教えてくれなかった」
…と、言ってしまえば責任転嫁できてしまいますからね。
業者オークションは、そういったトラブルが起きないように取引されていますが、莫大な数の中古車すべてを完ぺきに精査できません。
また、その内容をユーザーに伝えるか伝えないかは、クルマ屋次第でもあります。
こわい話ですよね。
3.メンテナンス履歴が不透明
これが当てはまるのは、以下の買い方です。
- 全国チェーンの大手中古車専門店の中古車
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
自店舗でずっと整備しているクルマであれば、どのようなメンテナンスをおこなってきたのか、きちんと履歴として残しているお店であればわかるでしょう。
しかし、上記の中古車はこれまでのメンテナンス履歴が明確でない場合が多いです。
購入した中古車が、定期的なメンテナンスが確実にされてきたのか、オイル交換さえもまともにされずに乗りっぱなしのクルマだったのかで、購入後のクルマの健康状態はおおきく異なります。
特にオイル交換をきちんとしていないことによる各部品の劣化やダメージは、いくら購入後にきちんとメンテナンスしようが、直ることはありません。
4.保証内容があいまい
これが当てはまるのは、以下の買い方です。
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
保証がついていることを宣伝に、中古車販売してあるお店はたくさんあります。
ディーラーや大手中古車専門店は明確な取り決めがあるので安心でしょう。
しかし、個人経営のクルマ屋は内容があいまいであることが多いです。
ただ、トラブルがあったときは自身のお店の看板に泥がつくことは避けたいので、「そんなことまで保証で修理するの?」と驚かされることが多々あります。
ネットで情報が拡散するいま、自店の不利益な情報は経営悪化に直結しますからね。
しかも整備作業はディーラーに丸投げしてしまえば、作業ミスなどの新たなリスクも減らせて、失うのはお金だけで済みます。
「保証内容のあいまいさ」は、場合によってはユーザーにとってメリットにもなり得ることもあるようですね。
また、オークション・フリマサイトでの個人売買は「ノークレーム・ノーリターン」「現状販売」が大前提なので、きちんと理解した上で中古車を買う必要があります。
5.不透明・不完全な納車前点検・整備
これに当てはまるのは、以下の買い方です。
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
整備した形跡がまったくないのに、納車前点検費用としてしっかりとお金を取られている…
そんなことが実はあるのです。
せっかくクルマという高い買い物をしたのに、安心・安全に乗るための整備がおろそかにされていることは、言語道断です。
本当にこれで車検が通ったのかと目を疑うものもあり、クルマのプロとして常識的に考えられないようなことも珍しくありません。
ディーラーは個人のスキルだけでなく、会社や店舗、グループ全体で、それぞれの車種の整備に関する情報が共有できているという強みがあるからです。
その前提があって納車前の点検・整備ができるのと、できないのではその後のカーライフが安心なものになるか、そうでないのか大きく異なってきます。
お店によっては非常にあいまいな納車前点検・整備ですが、中古車を買う段階でその点が万全かそうでないかの判断をユーザーがすることは非常にむずかしいです。
中古車購入後のリスクは最小限に抑えるべき
中古車の購入を考えているひとはきっと以下のようなパターンではないですか?
- 新車の購入は金銭面的に厳しい
- 買い物はかしこく。コスパ重視
なにも悪いことではありません。
むしろわたしもそのパターンです(笑)
そして、おそらくそんなあなたは中古車の購入後もムダな出費をおさえたいはずです。
自動車ディーラー以外での中古車購入時にちらつく5つのデメリットは、間違いなく購入後の故障などの元凶となります。
「クルマが壊れたら、またなんでもいいから安い中古車を乗り継げばいいや〜」
…と思っているのであれば話は別ですが、
中古車であっても大切な相棒として、末永く付き合っていきたいと考えているひとは、高品質な中古車をそろえ、整備もきちんとおこなわれる自動車ディーラーの認定中古車を購入するほうが、間違いなく中古車購入後の出費というリスクは減らせるはずです。
まとめ
今回の記事は、けっこう辛口でいきました。
ひとつ断っておきたいのが、もちろんディーラー以外のクルマ屋のなかには信頼のできる素晴らしいお店もたくさんあります。
でも、長年クルマ業界に身をおいてきたわたしの感覚では、そんな優良なクルマ屋は全体の1割くらいかな?…と感じています。
そのほかの9割のいい加減なクルマ屋のおかげで、そういったまじめなクルマ屋が誤解されてしまうことがあるのも事実です。
しかし、一般ユーザーがその善し悪しを判断することは非常にむずかしいです。
ですので、いろいろな経験をとおして出したプロの自動車整備士の結論は
「ディーラー以外での中古車購入はおすすめしない」
としました。
中古車の購入を考えているひとの参考に少しでもなれば幸いです。
こちらの記事もいっしょに読んでいただくと、いいと思います♪
また、乗り換え検討中の人に向けたプロの整備士が語る【ぜったい得するクルマの手放し方】は以下のリンクからぜひ読んでみてください。
[…] 【衝撃の実体験も公開!】ディーラー以外での中古車購入をおすすめしない5つの理由。プロの現役整備士が解説上記の記事でも紹介していますが、ディーラー以外で中古車を購入する方 […]