エンジンオイルが長らく未交換で、オイル量が減り、点検用ゲージ
交換してください。
ほんなら補充しといてーな!
…整備士さんなら分かる、あるあるやり取りなのですが、あなたも
または考えていたりしませんか?
エンジンオイルを補充するという行為は、現役整備士から言わせたら言語道断、お話になり
ちょっと角のある言い方で気分を悪くされたかもしれませんが、こ
エンジンオイルの補充が必要=クルマからのSOSサイン
エンジンオイルの補充が必要=オイル交換していない
エンジンオイルに限らず、クルマに使われている油脂類は劣化、ま
それらは、もちろんクルマの最大限のパフォーマンスに影響を及ぼ
整備士経験10年以上のわたしから言わせれば、定期的にエンジン
(ロータリーエンジン、スポーツ走行を繰り返すなど特別な場合をのぞく)
エンジンオイルが減っていると指摘されたあなたは、大切なクルマ
過走行によりエンジンの寿命をむかえている可能性
クルマのエンジンは人間と同じでいつか寿命がきます。
しかしこれもまた人間と同じで、はっきりと○○万kmでダメにな
エンジンも老化すれば、本来のパフォーマンスが発揮できずに、オ
きちんとメンテナンスされていると仮定した場合で、おおよそ軽自
あまりに酷い場合は、エンジンの載せ換えやクルマの乗り換えも視
一部で元々エンジン側に問題がある場合もある
わたしはオイル交換だってこまめにしてるのに何でオイルが減るん
という方もいらっしゃるでしょう。
実はエンジンオイルの消費は、エンジン側の不良・不具合である場
たとえば、以下のトヨタの2.4L直噴エンジンのオイル消費に関する問題
このようにエンジン側に問題があると認められる場合は、先方(デ
特に、まだまだ黎明期だった頃の直噴エンジンは、メーカーを問わずオイルの消費量が多いです。
今ではそんなことありませんけどね!
エンジンオイルが消費=エンジンにダメージ
エンジンオイルの消費は、エンジンに致命的なダメージを与えてし
素人でもわかる異音や臭い
もちろん、プロの整備士に診てもらうことが確実ですが、あなた自
エンジンから聞こえるカラカラ音や、マフラーの排ガスからの焼け
カラカラ音の原因は大きく分けて以下の2パターンが考えられます
- エンジン内部の部品が損傷・摩耗・劣化している
- オイルが減っていてエンジン内部を十分に潤滑できていないことによるメカニカルノイズ
一方で、排ガスの焼けた臭いは、エンジン内部の部品が損傷・摩耗・劣化し
ただし、いずれも別の不具合原因である可能性もあるので、ひとつ
おかしいと感じた場合は早急に行き
エンジンがダメージを受けると本来の性能を発揮できない
上記で解説したような状態にまでなっていると、エンジンはすでにダメージを負っていて後戻りできない状態になっています。
こうなると、エンジンは本来の性能を発揮できなくなっています。
異音などをのぞいて、具体的には以下のような状態や不具合の発生が考えられます。
- 燃費の悪化
→エンジンの健康状態NG。改善は不可。 - チェックランプ点灯
→油圧制御によって作動している部品がオイル量の減少により、適切な油圧が掛からずに正常作動しなくなる。
または、汚れてコテコテになったオイルのせいで油路が詰まり、各部品が正常に働かなくなる。
部品の交換などで改善する可能性もあるが、また同じ結果を招くことも。 - エンジン内部が傷だらけ。またはカーボンまみれ
→ユーザーが目視で直接の確認はできないが、しっかりメンテナンスされたエンジンとの差は一目瞭然。
メンテナンスされていないエンジンは、素人目にも精神衛生上よろしくないほど、汚れている。改善は不可。
エンジンオイル交換の推奨距離はどれくらい?
エンジンオイルを補充しなければいけない原因が、【エンジンそのものにある】【過走行によりエンジンが老化して、オイルを消費している】のは仕方ないことです。
しかし、エンジンオイルの補充が必要になるほどにまでオイル交換を怠っているのであれば・・・?
それは紛れもなくあなた自身の問題です。
さらに、一度悪くなったエンジンの健康状態はもう元には戻すことができません。
次から同じ過ちを繰り返さないためにも、ここで確実にオイル交換の適切なタイミングを覚えておきましょう。
オイル交換の推奨距離は3〜5,000kmが一般的
エンジンオイルの交換はおおむねどこでおこなっても、次回交換推奨距離は【3,000km】もしくは【5,000km】と案内されるはずです。
取扱説明書やメンテナンスノートには、10,000kmとか15,000万kmとか書いてあるから、そんなマメにしなくてもいいんじゃないの?
という声もちらほら聞かれます。
しかし、よく見てみるとシビアコンディションの場合は交換スパンが短く案内されているかと思います。
その場合、おおむね交換推奨距離は半分となるので5,000~7,500kmでの交換が適切となります。
シビアコンディションってなに?・・・と思われる方がいらっしゃるかと思います。
【距離を多く乗るユーザー】、逆に【たまに少し街乗りするだけのユーザー】ひとによってさまざまな使い方がありますが、おおむねほとんどの場合でシビアコンディションに該当すると思っていただければ間違いないでしょう。
そして、ここで解説したようにエンジンオイルの交換を怠ることは、最終的にエンジンやクルマに深刻なダメージを与えてしまいます。
クルマのメンテナンスを責任もっておこなうクルマ屋の立場としては、お客さまのクルマのそんな最悪な事態は望んでいません。
どれだけクルマに無頓着であったり、お金をかけたくないひとであっても、最低でもオイル交換くらいはきっちりしてもらいたいのが本音です。
ですから、クルマがどんな使い方をされていてもこのスパンでやっていれば確実にエンジンの健康状態は保つことができるオイル交換距離として、長年の経験などから
【3,000km】もしくは【5,000km】でオイル交換してください
・・・と説明するようにしているのです。
一部外車などでは数万kmごとの交換の場合も【エンジンオイル】
実は上記のエンジンオイルの推奨交換距離が当てはまらないクルマもあります。
特に外車に多くて、数万kmごとの交換でよい場合があります。
これは、車検や法定点検で定期的にクルマ屋に入庫・メンテナンスする習慣のある日本と、車検などがない外国とのクルマ文化の違いによるところが大きな要因でしょう。
(・・・と、筆者は考えています)
もちろん、エンジンオイルそのものの性能がまったく異なるので、数万km未交換でもエンジン性能を維持できるのです。
ですから、一度のオイル交換費用は数万円と高額になる傾向にあります。
「自分の愛車がどっちか分からない!」という高級車や外車にお乗りのかたは、ご自身のクルマは従来どおり3~5,000kmでのオイル交換でよいのか、数万kmごとでよいのか、最寄の正規ディーラーに問い合わせて確認してみてください!
まとめ 【エンジンオイルの補充はNG!ダメな理由を現役整備士が語る】
エンジンオイルの補充がNGな理由は、多くはそもそもきちんとオイル交換さえしていれば補充が必要となることなどあり得ないからです。
また、エンジンオイルの補充が必要であるような状態が続いているとエンジンは深刻なダメージを負ってしまいます。
結果、修理自体も不可能となる場合が多く、健康な状態のクルマを乗り続けることができなくなるからです。
ですから、厳密には【エンジンオイルの補充そのものがNG】というよりは【エンジンオイルの補充が必要となるようなオイル交換の管理不足がNG】ということが、今回の記事でわたしが伝えたかったことです。
せっかくの快適なカーライフのパートナーである愛車なのですから、いつまでも健康でいてくれるためにも、オイル交換くらいはこまめにしてあげてくださいね!