女性人気絶大のかわいい、イタリアのフィアット社から販売されている500。通称「チンクエチェント」
外車ということもあって、日本車では気にする必要のまったくない部分にも、気を遣いながら運転しなければいけないシチュエーションがあります。
そのシチュエーションというのが、【渋滞】です。
- そして、この渋滞時にノロノロ運転をしてはいけない!!!!
- もし、日常的に渋滞走行しているのならクルマが早く傷む原因になる
ということが結論です。
いやいや、渋滞=ノロノロ運転やのにどうしたらえぇんや!
…と、当然のことながらお思いでしょう。
この記事では以下のことを解説しています。
- ナゼ、FIAT500(チンクエチェント)は渋滞時のノロノロ運転がNGなのか?
- 渋滞時は、どういった運転をすればいいの?
気になった方はぜひ、記事を読み進めていってください♪
FIAT500(チンクエチェント)=ノロノロ運転NGの理由はミッションにあり!
かわいい、愛しの愛車チンクエチェント♪
嬉しくて、思わず遠くまでドライブ~♪
通勤にも遊びにも大活躍~♪
ただ、そんな大切な愛車を守るためにも、FIAT500乗りとして心得ておかなければいけないのが
【渋滞時にノロノロ運転するのはNG】
ということです。
AT車だけど、中身はMTなのがFIAT500【その名もデュアロジック】
まずはじめに断っておきたいのが、この問題はFIAT500のAT車(オートマ)に限るということです。
FIAT500のAT車は、国産の一般的なクルマに乗っていたことのある方ならわかるとは思いますが、非常に独特な乗り味ですよね。
AT車にふつうにあるクリープ現象(Dレンジに入れてブレーキから足を離すと、ゆっくりと勝手にクルマが動くこと)が、FIAT500にはありません。
実はこれ、FIAT500のAT車はAT(オートマチックトランスミッション)ではなく、MT(マニュアルトランスミッション)が使われているからなんです。
ちなみに【トランスミッション】と呼ばれるATやMTは、エンジンの力を適切にタイヤに伝えるための部品です。(動力伝達装置といいます)
AT車なのにMT?どういうこと?
これはMT車が本来、クラッチを踏んでギヤを1→2→3速…と自分でおこなう動作を、FIAT500のAT車の場合は、機械を使って自動で行っています。
(これをデュアロジックと言います。)
ちなみに国産車の多くは、一部を除きほとんどがAT(オートマ)はAT(オートマ)で、MTとはまったく別モノを使用しています。
ATだけど、中身はMTであることがノロノロ運転NGの理由
AT車限定免許の方には馴染みのない言葉かもしれませんが、半クラってご存じですか?
特に発進時には必須のMT車の運転テクニックになります。
わかりやすいですよ~♪
※素人の方にも解説しやすいように、一部あえて言い回しを変えている部分があります。玄人の方はご了承願います
MT車においてエンジンの動力をタイヤに伝えるときに、回転運動しているエンジンのパワーを止まっているタイヤに伝達する際、回転差が生じます。
スムーズにエンジンの回転運動をトランスミッション→タイヤに伝えるために必要なのが半クラです。
そして、エンジンとトランスミッションの動力を伝達・遮断する部位のことをクラッチといいますが、回転物同士が半クラによって徐々に同調して、最終的にガシッとつながります。
徐々に回転差を同調していくうえで、クラッチの部品には摩擦が生じます。
摩擦が生じるということは、クラッチには負荷がかかっているわけです。
そして、このクラッチは部品が摩耗します。
つまり半クラ状態というのは、クラッチの部品が摩耗しやすい状況なのです。
少しだけ話を戻しますが、半クラは発進時に使う運転テクニックです。
それは機械も同じです。
渋滞時のノロノロ運転はまさに、この半クラを使用(多用)する領域にあります。
また、スムーズに走れるように機械が自動でおこなう半クラ領域は、本来ドライバーがMT車でおこなう半クラよりも格段に多くなってしまいます。
ということは…?
そう!
FIAT500チンクエチェントで、渋滞時にノロノロ運転をしてしまうと半クラの多用によって、クラッチが早期摩耗してしまうのです。
また、摩擦によってクラッチが高温になって
- 警告灯点灯
- 焦げ臭いニオイがする
といった、症状が確認されます。
これまでふつうのAT車に乗ってきて慣れている人はビックリするかもね。
こういった過酷な環境に頻繁にFIAT500が置かれると…
という願ってもいない、いたーい出費に見舞われてしまうかもしれません!!
渋滞時にはどう運転すればよいのか解説
でも、渋滞してたらノロノロ運転になってしまうのは仕方なくない?
どうすればいいのか教えてよ!
その答えはズバリ…
- 前の車が進んでもしばらく停車したまま(…ガマン!)
- ある程度、車間距離が開いたら発進→しっかり加速する
単純なことですが、FIAT500が半クラ状態になるのを極力抑える走り方をすればよいです。
そのためには、渋滞時に前のクルマに続いてノロノロ運転しないことですね。
特に登り坂は、平坦路よりも半クラを多用&負担が大きいので必ず上記の運転を実施してください。
ということで渋滞でも焦らず、気持ちも車間距離もゆとりをもって走りましょう!
そうすれば、クラッチが高温になったり警告灯が点灯するまでに、愛車のFIAT500が「しんどいよ~!」…となることもないはずです。
まとめ
FIAT500チンクエチェントの渋滞時の走行において起こりうるトラブル・状態をまとめました。
- 焦げ臭いにおいがする
- 警告灯が点灯する
- 頻度が多いとクラッチの早期摩耗に繋がる
- 結果、部品の交換・整備にお金がかかる
ぜひとも、FIAT500チンクエチェントに乗る(乗っている)のなら知っておいてほしい知識です。
オーナーがクルマに走り方を合わせなければいけないのか~
というのが正直なところですが、それでイライラしてしまうような器では、イタリア車のオーナーには向いていないのかもしれません。(あ、これ僕のことです(笑))
しかし、そんな煩わしさも含めてイタリア車の魅力でもあります。
クルマってほんと、いろんなクセがあっておもしろいですね!