2020年6月ついにレクサスISの新型が発表されました。
フルモデルチェンジの噂もありましたが、「大幅なマイナーチェンジ=ビックチェンジ」となりました。
スポーティーなFRセダンとして、外観はよくまとまっており好印象な声も多いですが、クルマ好きユーザーの納得いくマイナーチェンジとなっているのでしょうか。
現行モデルは2013年デビューですが、時代遅れ感のある装備もちらほらあったのでそれらが改善されてレクサスの名に相応しいクルマになったのか解説していきましょう。
ところどころ、愛車のマツダ「アテンザ セダン」(MAZDA6)との比較も織り交ぜていきます!
ボディサイズは拡大!走りの質向上が大きなポイント
たかがマイナーチェンジ?
いえいえ、わたしがあえて「ビックチェンジ」と言ったのはマイナーチェンジだなんて簡単な言葉で済ませたくないからです。
ボディサイズは全長・全幅ともに30㎜拡大
引用元:https://lexus.jp/
ここまで手を加えて、フルモデルチェンジじゃないの?
と思ってしまいますね。
- デザイン
- 走り
その両輪のパフォーマンスを向上させたことによる【副産物】として、ボディサイズが拡大したのではと推測しています。
以下がマイナーチェンジ前のレクサスISとの比較です。
サイズ | 2020年秋~ | ビックチェンジ前 |
全長 | 4,710mm | 4,680mm |
全幅 | 1,840mm | 1,810mm |
全高 | 1,435mm | 1,430mm |
ホイールベース | 2,800mm | 2,800mm |
※ちなみにアテンザ(MAZDA6)との比較は以下のとおりです。
サイズ | 「IS」2020年秋~ | アテンザ(MAZDA6) |
全長 | 4,710mm | 4,865mm |
全幅 | 1,840mm | 1,840mm |
全高 | 1,435mm | 1,450mm |
ホイールベース | 2,800mm | 2,830mm |
こうやって数値で比較すると、愛車アテンザの大きさが際立ちます。
全長なんて、155mm(15.5cm)もアテンザのほうが大きいんですから驚きですね~
ISはボディサイズが拡大され、デザインも刷新されたことで「シンプル×シャープ」になったのですが、躍動感が増したように感じるのはリヤのクォーターの構造が見直され、角度や形状までもが変更されているためでしょう。
というか、マイナーチェンジレベルでボディシルエットが変わってしまうくらいまでの刷新は、ほんとうに驚きです。
引用元:https://lexus.jp/
見た目はgood!!
セダン好きユーザーからはおおむね好印象な声が多いようです。
新型IS、カッコよすぎやんww pic.twitter.com/AY38ekYMEF
— Mrくるま。 (@Mr99790590) June 15, 2020
また、リヤの一文字のテールライトは、新型ハリアーふくめトヨタの次世代のNEWデザインの象徴のひとつでしょう。
シンプルで洗練されたデザインとなったので、より未来的かつ高級感がアップしました。
引用元:https://lexus.jp/
ひとつ気になるのが、せっかく外観部分においてヘッドライトが刷新されたのに、アダプティブLEDヘッドライトが未採用という点です。
アダプティブLEDヘッドライトは、ヘッドライトのハイ/ロー切り替えを単純なハイ/ローだけでなく、対向車や前走車の部分のみ減光して、必要な箇所はハイビーム照射のままで視認性を向上させるものです。
この部分は、時代遅れ感がありあます。
これだけの大幅な刷新だったのだから、アダプティブLEDヘッドライト採用は、そこまで難しいことではなかったと思うのですが…
引用元:https://lexus.jp/
そんなフロントフェイスで特徴的なスピンドルグリルは、全グレードメッシュタイプで統一されます。
これまでは、メッシュグリルはFスポーツの代名詞(専用)でもありましたね。
マイチェン後は、Fスポーツのメッシュグリルは専用のものを採用し、細かい部分ではほかのグレードと差別化されます。
走りの質にこだわった=目に見えない部分が深化
一般ユーザーにとっては知ったこっちゃねぇ話かもしれませんが、ビックチェンジ後のnewレクサスISは、トヨタ所有のテストコースで煮詰められた「走りの深化」が大きなトピックです。
走りの質の向上は、一般ユーザーにとっては分かりづらかったり、目に見えない部分ということもあってこだわりが分かりづらいものです。
あくまでマイナーチェンジである今回のISの改良において、大胆なインテリアの変更などはおこないづらいのが正直なところと推測されます。
さらにISのベースは新型プラットホーム(TNGA思想に基づく)以前のものを使用していることもあるので、そのあたりも無関係ではありません。
しかし、制約があるなかで、ISの走りの質は細かい部分まで見直され、改善・深化しています。
そういった部分は、ほかの車種でもメーカー問わずにおこなわれてはいますが、ユーザーとしては素直に「ありがたい」と受け止めたいですね。
- ESにも採用されている「スウィングバルブショックアブソーバー」を装備
→ゆっくりとサスペンションが減衰するときの応答性が良くなり、乗り心地が上質に - 各所、補強・新開発部品の採用等によりボディ剛性アップ
→ステアリング操作に対するレスポンスUP、走行ノイズ・振動の低減 - ホイールナット→ホイールボルトの採用
→軽量化&運動性能UP - コンピューターのプログラミング制御の変更
→アクセル操作に対してのレスポンス向上や、出力制御の変更など(ガソリン・ハイブリッド両モデル)
スウィングバルブショックアブソーバーは上位モデル譲りの装備
ゆっくりとサスペンションが減衰するときというと、分かりやすいシーンでいえば低速走行時などでしょうか。
軽快に走っているときよりも、意外とそのようなシチュエーションのほうがクルマの荒い部分って出やすかったり、感じやすかったりします。
引用元:https://lexus.jp/
「スウィングバルブショックアブソーバー」は、レクサスのセダン【IS-ES-LS】3兄弟のうちISの上位モデルにあたる、ESに採用されていた装備です。
優れた装備が上から降りてきて、下のモデルにも採用されるということは、単純にクルマの質がこれまでより上がるということです。
乗り心地に関わる部分は、意外と身体にとってストレスになるものですが、「スウィングバルブショックアブソーバー」を開発したKYBは、以下のような解説をしています。
意のままの操縦性と絨毯の上を走行しているかのようなフラット感を実現。
これまでのISと比較してワンランク上の乗り心地を実現してくれることでしょう。
外車基準⁉国産では珍しい「ホイールボルト」の採用
引用元:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/
国産車に乗っている、または整備していると馴染みのない「ホイールボルト」を、ビックチェンジ後のレクサスISでは採用しています。
国産では、珍しいですね
わたし自身、輸入車ディーラーに転職して馴染みのなかったホイールボルトに、戸惑ったのと同時に「なんで、ボルト?タイヤもつけずらいし…」と感じていました。
今回のレクサスISの仕様変更にともない、重量軽減のための変更とアナウンスさえれており、走りを重視する欧州車がナゼ、ホイールボルトなのか、いまさら理解できました。
内装に大きな変更はなし
外観ほどの見た目の大きな変更のないビックチェンジ後のレクサスISですが、ダッシュボードの上にドンッと鎮座する「10.3インチのナビ」はかなり存在感を放っています。
引用元:https://lexus.jp/
こういったレイアウトは、輸入車・国産車問わずいまのトレンドですね。(これまでのISは埋め込み型でした。)
もちろん、時代の流れを汲んで「AppleCarPlay」「Android Auto」対応のナビなので、スマホを接続してナビ画面で操作OK。
また、電動パーキング採用は大きなトピックです。
今どき、軽自動車にも採用されているので、ISもやっとかぁ…というのが正直な印象です
これに合わせて、従来は一定速度以上でないと作動しなかったレーダークルーズコントロールから全車速追従型のレーダークルーズコントロールに進化、運転支援機能はより安全で便利なものにアップデートされた「Lexus Safety System+」となっています。
そのなかでもレーントレーシングアシスト(LTA)に連動した安全装備として、フラッグシップLSにも採用されている、「ドライバー異常時停車支援システム」がISにも搭載された部分に注目です。
(LTAは自車線内走行のためのステアリング操作支援に機能です)
LTA作動時に、ドライバーが居眠りや病気などで一定時間操作がない場合に、警報でお知らせしますが、それでも継続して無操作状態が続くと、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車までします。
さらに、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請までしてくれるとのことですから、これ高級車!と言えるような、至れり尽くせりの機能です。
もちろん、この機能にお世話になるような状況となることは避けたいですが…
ちなみに、愛車アテンザは2012年デビューとISより1年早いですが、最初のマイナーチェンジ(ビックチェンジ)で、2014年末にすでに電動パーキングを採用しています。
(また、このときにアダプティブLEDヘッドライトも採用しています)
引用元:https://car.watch.impress.co.jp/
その後、オートホールド付きの電動パーキング採用と同時に全車速追従型ACCも早々に装備しています。
マツダは、年次改良で車格を問わず最新装備や機能をドンドン採用していっているので、ISももっとこまめなアップデートで、自車より安いクルマにすら当たり前となっているような装備は、もっとスピード感をもって採用していってほしいですね。
(もちろん、ほかの部分ではISのほうが優れている点もたくさんあるのですが、オーナーとして比較して気になった部分だけをピックアップして紹介させていただきました。)
まとめ
newレクサスISの発表が2020年6月、GSの生産が終了が2020年8月、上位モデルとしてESがラインナップされているもののFFレイアウトとなるので、FRレイアウトのセダンはISとLSの2車種となります。
「高級セダンは伝統のFR」という部分にこだわりを持つユーザーは少なくありません。
GS消滅のこのタイミングでISの刷新が、単なるマイナーチェンジと呼ぶには失礼なビックチェンジとしてデビューしたのは、従来であればGS購入を検討していたようなターゲット層を、満足させなければいけない義務がISには与えられたとも言えます。
もちろん、ほんとうの意味で満足させるにはTNGA思想採用の新型プラットホームでのフルモデルチェンジが必須であることは言うまでもありません。
とは言え、元々はアリスト・アルテッツアだったGSとISです。
ISには本来レクサスブランド セダンの入門車種としての役割があります。
そういったことを踏まえると、今回のISのマイナーチェンジから次期フルモデルチェンジまでの期間は、FFモデルのESが従来のGSのポジションを確立するための猶予期間とも言えるのではないでしょうか。
今後、あの世界のトヨタですらラインナップ車種を精査して数を減らしていくとアナウンスしている状況ですから、クルマ業界の未来はわたしたちのような素人では予測不可能です。
そんななかでも、魅力的な新型車を出してくれる各自動車メーカーに感謝しつつ、新型車の登場にいつまでも心踊らせていたいですね。
また、最近は新車の値引きが以前と比べて少なくなり、新車購入時のお得感を感じづらくなりましたよね。
そんなふうに感じているあなたに、【現役プロの整備士が徹底リサーチしたクルマを賢くお得に乗り換えるために、わたしたちユーザー自身でできること】を記事にしています。
ぜひ、良ければ参考にしてみてください^^
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