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車の【リコールの本当の意味】知ってる?感謝すべき?悪いことじゃない?

自動車のリコールってどいうイメージがありますか?

もしかすると、むかし三菱自動車が「リコール隠し」問題で世間をにぎわせたこともあって、【リコール】という言葉のつくものであれば、一様に「悪いもの」とネガティヴなイメージを持っている方も多いでしょう。

事実SNSでは、何かあればすぐに…

  • リコールではないか?
  • こんな不具合でなんでリコールにならないんだ!
  • リコール隠しじゃないのか⁉

と、顔を赤くしてコメントしている方をよく見かけます。

また、ここ最近のリコールやサービスキャンペーンで見受けられる

【部品供給まで時間を要するので、すぐには作業できない】

これに対しても以下のような意見がよく見受けられます。

イライラするオーナーのアイコン画像イライラするオーナー

作業してもらえないのに、なんでリコールの案内なんてよこすんだ!!

みなさんも、表には出さずとも内心モヤモヤしているという方が多いのでは?

現役で整備士をしているわたしだけでなく、自動車関連業界で仕事をしている方々のその多くが、ユーザーさんとの間の「リコール」に対する認識の違い・差に戸惑いつつ日々、業務にあたっている方ばかりです。

整備士ヒロのアイコン画像整備士ヒロ

そこでこの記事では、自動車の「リコール」に関してどういったものなのか、一般ユーザーの方々に理解を深めていただくために、分かりやすく簡潔に解説しています。

※注意※
当記事は、あえて自動車整備士であるわたしの主観的な思いや考えも含めて、解説しています。

そのため、すこーしブラックな言い回しもあり、気分を害される方もいらっしゃるかもしれません。

自分自身が当てはまるかも…というようであれば、回れ右していただくことをオススメします。

目次

自動車の【リコール】とは(なんでもかんでもリコールって言ってない?)

リコールが自動車の不具合の無償修理である点は、みなさんもご理解されていると思います。

でも、当たり前のことですが自動車の不具合すべてが、リコールになるわけではありません。

家電だってこわれますよね?PCだってフリーズしたりしますよね?

それをいちいち、リコールだ!とメーカーに噛みつきますか?

数百万円もする機械(自動車)が壊れてもらっては困る?

たしかに、家電とは価格帯が異なりますが【高額なもの=壊れるべきではないもの】という認識は危険です。

自動車を構成する部品は3万点にも及ぶと言われています。

自動車の値段が冷蔵庫や洗濯機と比べ物にならないくらい高いのは、それだけ数多くの部品によって構成され、なおかつ過酷な条件で、さまざまな使い方をされることを想定し柔軟に対応しつつ、耐久性も確保された工業製品だからです。

それらのうちのひとつが、不具合をおこしたり壊れるくらいは正直、ある意味でふつうのことでもあります。

もちろん誰しもが壊れることがふつうだし、当たり前という考えでクルマ作りしてるわけではありませんけどね。

リコールになる条件

では、どういった場合にリコールが出されるのでしょうか。

一言でかんたんに説明すると以下のとおりです。

自動車製造メーカー側の責任で、保安基準を満たさない可能性のある、重大な欠陥が確認された場合

国土交通省のHPにも、記載されています。

新車として販売されている自動車は、道路運送車両法の厳しい保安基準に合格して初めて、公道を走行することができます。

その絶対条件が損なわれるとなれば、そりゃもう一大事ですよね。

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よって、自動車の所有者もリコールを受ける義務があります!

リコールと改善対策、サービスキャンペーンの違い

リコールという言葉は知っていても

  • 改善対策
  • サービスキャンペーン

上記の言葉を知らない自動車ユーザーは多いのでは?

もちろん知らないことが悪いわけではありません。

一体、リコールとは何が違うのかを、この記事をとおしてなんとなーく、分かっていただけるだけで十分です。

先ほど、リンクを載せた国交省のHPでも、その違いについて確認できますが、Wikipediaを見てもきちんと解説されています。

*リコールとは?*

自動車の構造、装置又は性能が自動車の安全上、公害防止上の規定(道路運送車両の保安基準)に適合しなくなるおそれがある状態、又は適合していない状態で、原因が設計又は製作の過程にある場合に、その旨を国土交通大臣に届け出て自動車を回収し無料で修理する制度。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

*改善対策とは?*

自動車等の構造、装置又は性能が基準不適合状態ではないが、安全上又は公害防止上放置できなくなるおそれがある又は放置できないと判断される状態で、原因が設計又は製作の過程にある場合に、その旨を国土交通大臣に届け出て自動車を回収し無料で修理する制度。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

*サービスキャンペーンとは?*

リコールまたは改善対策に該当しない場合であり、商品性や品質の改善のためにメーカーが無料で行う自動車の修理。国土交通省の通達に基づく制度。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

これらからもわかるように、使い勝手のうえで困るような・不便に感じるようなメーカーの製造過程が原因で起こる不具合に関しては、【リコール】ではなく、【改善対策】または【サービスキャンペーン】と呼ばれることが分かります。

なんでもかんでも「リコール、リコール!!」と騒ぎ立ててると赤っ恥をかいちゃうかもしれませんね。

具体例を紹介

実際に具体例を紹介しましょう。

https://www2.mazda.co.jp/service/recall/

マツダのデミオ・CX-3はエアコン部品の不良によって、エアコンの効き不良が多発していました。

その結果、お客さまの快適なカーライフを阻害する可能性がある不具合ということで、【サービスキャンペーン】が発表されました。

これがリコールとならないのは、エアコンの効く効かないは走行性能になんら影響を及ばさないうえに、道路運送車両法にも抵触しないからです。

しかし、発表以前ならまだしも、自身のところにサービスキャンペーン実施との案内が来たにもかかわらず、やはり多くの方は「ディーラー(メーカー)による保証修理=リコール」だと、認識しているようです。

まぁユーザーさんからしたら、自動車の正常な機能を損なうものであれば、保安基準に抵触しようがしまいが、リコールだろうがサービスキャンペーンだろうが、気に食わない不具合であることに変わりはないですよね(笑)

ただ、Twitterの自動車業界界隈でも話題に上ることがあるのですが、なんでもかんでも不具合があれば「リコールだ!」と騒ぎ立てるひとは、あまりよく思われないのが現実のようです。

(もちろんこちら側の不誠実な対応であったり、本当にご迷惑をおかけしてる事案に対して、お客さまが怒ることは当然ですので、そういった場合は除きますよ)

それでは、リコールとはどういった場合のことを言うのでしょうか?

いくつか例を挙げてみましょう。

https://toyota.jp/recall/

走行中にエンストによりエンジンが止まってしまう可能性があることは、大きな危険を伴います。

自動車が安全に公道を走行することが、部品の製造時の欠陥によって発生するかもしれないことは、【リコール】で間違いありません。

https://www.honda.co.jp/recall/

タカタ製のエアバック問題は、世界的にも大々的なニュースとして取り上げられました。

エアバックメーカーとしては最大手のひとつであったがために、メーカー・国境の枠を超えて様々な自動車メーカーで再三のリコールが発表されることになりましたね。

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自動車の何万点にも及ぶ部品は、多くのサプライヤー(仕入れ先・供給元)があることで成り立っています。

国内では事例発生はありませんでしたが、海外ではこれに起因する死亡事故が起こっています。

製造時の部品の不良で、場合によって車両火災や死亡事故を引き起こすことがあるので、自動車の安全運行に大きな問題を与えてしまいます。

これも、当たり前ながら【リコール】で間違いありません。

【リコール・サービスキャンペーン】すぐに作業できないのに発表する意図は?

ここ数年、部品供給が間に合っていない、または用意できていないのにもかかわらず、リコール等を発表することが多いです。

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それこそ、タカタ製エアバックのリコールの際は対象台数も多いので、グループ分けして1年以上かけて処置したメーカーも。

なんなら、部品供給が間に合わないから、エアバックを作動しないようにする暫定処置を実施しなければいけなかったパターンも。

これらに対して、「リコール」という言葉にアレルギーのある方は以下のような声を挙げています。

  • 部品が準備できてから発表しろ!
  • 作業がまだできないのに、リコール発表だなんてふざけてる!
  • 修理してもらえるまで不安で乗ってられない。代車を用意しろ!

こうしたユーザーの方々は、お望みどおりに部品が揃うまで待ってリコール発表したらしたで、以下のように不満を漏らすのではないでしょうか。

イライラするオーナーのアイコン画像イライラするオーナー

前にネットで同様の不具合事例を見かけたことがあるぞ。

もっと前からわかってたんじゃないのか⁉

リコール隠しだ!!!!!

どちらに転んだとしても、文句・不満を言われるメーカーが不憫でなりませんね…。

なんとなくお気づきの方もいらっしゃるもしれませんが、【リコール・サービスキャンペーン】をすぐに作業できないのに発表する意図は、不具合を認知したうえでその対処法の模索・改善部品の用意を完全にしてからでは、「リコール隠し」「対応が遅い」と非難を浴びることになるからです。

メーカーにはもちろん隠そうだなんて意図がなくても、世論やマ〇コミ、SNSは非情なものです。

よって徹底した調査により対処法が確立し、改善部品が完成した段階で一刻も早く発表しなければいけない時代となってしまいました。(国土交通省の監視の目も厳しくなった)

改善部品の供給には、生産ラインの改修等を伴うものもあるので、簡単に大量生産できるものではありません。

しかも、再度また同じ場所でリコール発表なんてことは許されません。

確実に修理完了することこそがメーカーの責任です。

ここに…

リコールは発表したけど、部品供給が間に合わない・用意ができていないために、作業はできないor順番待ちとなる

という矛盾するような事態が発生してしまいます。

また、リコールは何よりも優先して作業をおこなうために、ディーラー・工場も作業工程を組みます。

しかしその間も、日常業務(車検や一般修理など)はかわらず、おこなわなければいけません。

時間も人員も、リフトの数も、工具の数も、代車の数も有限です。

リコールはほとんどのの場合で、対象台数が多くなる傾向にあるので、お客さまがやりたいときにいつでもできるというわけにはいきません。

わたしたち整備士もできることなら、一台でも多く少しでもはやく作業(リコール等)をしてあげたいのが本音です。

しかし、有限であるものが無限になるわけではありあません。

どうか、【リコール作業における事前予約の重要性】【作業日程は必ずしもお客さまの第一希望どおりとはいかない】

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このことを、ご理解いただけますようこの場を借りてお願い申し上げます。

リコール隠しはあるの?リコールへの理解

リコールは自動車メーカーの責任となるのでユーザーの金銭的な負担はなく、無償修理となります。

リコール実施の費用負担は自動車メーカーが負うことになるで、その金銭面での負担はかなり膨大となります。

金銭面でもそうですが、それ以上にその内容によってはメーカーへの信頼問題・風評被害により、さらなる大きな問題を抱えてしまう可能性があります。

こういった側面から、ひと昔前にリコール隠しが大きな社会問題となったのです。

近年、一部の企業において、制度そのものを根底から否定するリコールの闇改修を多年にわたり繰り返しおこなう事件が発生し、法律の運用以前のモラル問題が顕在化した。

1996年にスバル・レガシィがブレーキの故障によって正面衝突する事故を起こしたことがきっかけで欠陥隠しが判明した。1998年、東京地裁は富士重工業に過料140万円(7件分)の支払いを命じた。またこの件で幹部二人に業務上過失致傷で有罪判決が下った。


1999年運輸省(当時)から初めて1977年から行っていたリコール隠しによる改善措置勧告書が出された。そして、三菱リコール隠し事件・三菱ふそうリコール隠し事件以降、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility, CSR)が厳しく問われるようになり、日本版企業改革法(日本版SOX法)制定への追い風になったという意見もある。2004年、三菱が1999年に発覚した時に全ての情報を開示せず、リコール隠しを続けていたことが発覚する。死亡事故を2件含む多数の人身事故を起こしていたことが発覚する。


2004年8月にはトヨタ自動車で1988年から行われていたリコール放置が発覚し、国土交通省が業務改善指示を通達した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

ちなみに、わたしは現役整備士です

わたしが元いた国産メーカーに関しては、この「リコール隠し」、認知する限り無縁だったのではないかと考えています。

小さな不具合でもメーカーの方々のレスポンスは早く、どうすれば問題解決のブレークスルーポイントを見つけられるだろうかと、全力で取り組んでくれていたことをよく知っています。

お客さまにとって、さらなる満足度の高い・信頼できる・安心できる・魅力的な自動車メーカーになってもらうための一助を担うことは、ディーラー整備士の責任だと考えています。

整備士ヒロのアイコン画像整備士ヒロ

よって、どんな些細な不具合であっても メーカーに報告していましたし、それに対する何らかのアクションがあったことは、その都度確認しています。

逆に、今いる輸入車メーカーは割とほったらかしです(笑)

お国柄なのか、日本国内で売れている絶対数が少ないからなのかは分かりませんが、何のアクションもないので「ふざけるな!」とさえ思います。

すこし話はズレましたが、少なくとも私が10年以上在籍した国産メーカーには、リコール隠しをしようだなんて一面は見えませんでした。

ですので、SNSでたまに見かける不具合にあたったユーザーの、「リコール隠しだ」という言葉には、胸を締め付けられる思いをすることもありました。

また、リコールや改善対策、サービスキャンペーンには莫大な費用が掛かることから、それだけ身銭を切ってでもユーザーのために無償修理をおこなうことは、すごいことだと思います。

むしろ感謝をする!!…というのはさすがに言い過ぎかもしれませんが、一概に「悪いものだ」というのは誤った認識ではないかと考えます。

まとめ|車の【リコールの本当の意味】知ってる?感謝すべき?悪いことじゃない?

リコールについて理解を深めていただけましたか?

リコールそのものは不安な気持ちにもなり、その対応によってはさらにその不安な気落ちや嫌な気持ちが、大きくなってしまうこともあります。

ただ、一様に【リコール】という単語を武器に、批判や文句を言ったところで、自分だけでなく誰も良い思いをしないことがほとんどでしょう。

その一因は、【リコール】とはどういうものなのか?…という理解が乏しいことが挙げられます。

リコールは1年間で、415件も発表されています。(2019年度国内実績)

呆れるオーナーのアイコン画像呆れるオーナー

昔、乗っていた車はリコールはそんなに頻繁になかった!

イライラするオーナーのアイコン画像イライラするオーナー

最近のクルマは品質が落ちているんじゃないのか⁉

品質が落ちた?確かにコストダウンを図ることで、そういった一面はあるかもしれません。

しかし、自動ブレーキ等の予防安全機能に代表されるように、自動車は10~15年前から数か月単位で高度化し続けています。

それに伴い、かなりの短い期間のあいだに、自動車の作りや仕組みはケタ違いに複雑化していっています。

リコールや改善対策、サービスキャンペーンの対象となる部品やシステムが増えているので、その発表件数が増えることは自然な流れとも言えます。

今後もその流れは続くとみられるので、やはり自動車ユーザー自身もリコールに対して、正しい知識を備えることが重要です。

ここまで少し、言葉の荒い部分もあったかもしれませんが、この記事が自動車の【リコール】問題に関して、理解を深めるきっかけになってくれたら嬉しいです。

この記事を書いた人

元某国産ディーラー→現在は高級欧州車ディーラーの現役自動車整備士。
合格率3%とも言われるメーカー最上位資格を取得。

整備の技術・知識を競う全国大会にも会社代表で出場するなど、整備士としてやることはやりきってきました。

それらを活かしたカーライフに役立つ知識や、ライフスタイルに関する情報を発信しています。

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