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【OBDⅡ利用】クルマの情報が見れる便利なレーダー探知機が愛車を壊す?|デメリット

ネットや自動車用品販売店では、ふつうに売られているレーダー探知機。

ネズミ捕りやオービスなどから身を守る便利グッズです。

ひと昔前と比べて多機能化し、そういった情報だけでなく車両情報さえもモニタできるものが販売されています。

その車両情報はどうやってレーダー探知機に反映しているのか?

そのカラクリは、レーダー探知機の電源をクルマのOBDⅡコネクタと呼ばれる場所から取っていることで、それが可能となっています。

しかし、OBDⅡでレーダー探知機の電源を取り出すことは、ひとつ間違えると愛車を壊しかねない、莫大な修理費用を支払わなければいけない可能性(デメリット)があるのです。

悩める購入者のアイコン画像悩める購入者

え?ふつうにお店で売ってるものなのに、クルマが壊れるかもしれない?

どういうことか詳しく説明して!

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ということで、この記事では以下の目次に沿って【OBDⅡコネクタ×レーダー探知機】の問題に関して、素人の方にもわかりやすく解説しています。

目次

OBDⅡコネクタって何?【レーダー探知機の電源取り出し】

OBDⅡコネクタとは、いま現在新車販売されているクルマであれば確実に装備されています。

日本国内では各メーカー、2000年代初頭から順次実装されていきました。

このOBDⅡコネクタは、各自動車メーカーの枠を超えたDLCと呼ばれる同じコネクタ(カプラー)形状、ピン配列となっています。

OBDⅡコネクタには、スキャンツール(故障診断機)を接続することで、コンピューターが記憶した故障コードの読み取りや消去、さまざまなセンサの読み取る数値をモニタしたり…と、クルマの健康状態を確認することができます。

その他、クルマのコンピューターのシステムの変更やソフトウェアの書き換えと言ったことも可能で、いまのクルマはOBDⅡコネクタが使えなければ、『診断・整備がまともにできなくなってきている」と言っても過言ではありません。

参考:ウィキペディアより

OBDⅡコネクタにはスキャンツールが情報を読み込むための通信線がある!

スキャンツールを使用してクルマの情報を読み取るためには、クルマの情報をスキャンツールに伝えるための通信線が必要です。

そのため、このOBDⅡコネクタには、クルマの各コンピューターにつながる通信線とつながる配線(ピン)が来ています。

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レーダー探知機は、この通信線を利用してクルマからさまざまな情報を受け取ってるんだね。

それをレーダー探知機の画面に、映し出している。

だから、 冷却水温や発電電圧、エンジン回転数といったクルマの情報までもがわかるようになっているのか!

OBDⅡコネクタはあくまでスキャンツールを使うためのもの

診断機用のポッド

このOBDⅡコネクタですが、さきほど解説したように本来であれば各メーカーのスキャンツール(故障診断機)を接続して、クルマの整備・診断に使用するためのものです。

自動車メーカーがわざわざ、社外メーカーのレーダー探知機を使うことを想定してクルマづくりはしません。

自動車メーカー側としては公式に、レーダー探知機に代表されるような社外用品をOBDⅡコネクタに接続して使うことは認めていません。

よって、正常に作動する保証はありませんし、不具合が発生した場合はもちろん保証の対象外となります。

この部分を正確に理解して、レーダー探知機をOBDⅡコネクタに接続することは【自己責任】である認識のある方は、ほとんどいません。

ちなみに、これは自動車メーカー側の言い分としてはもちろんですが、レーダー探知機製造メーカー側もあくまで自己責任である旨は、取扱説明書等にもかならず記載してあります。

https://www.yupiteru.co.jp/
https://www.cellstar.co.jp/

セルスター、ユピテルとレーダー探知機では有名な二大メーカーのOBDⅡアダプターの適合表に、上記のような記載が確認できます。

つまり、それがどういうことを意味するのか?すこし考えていただければ、ご理解いただけるはずです。

レーダー探知機をOBDⅡ接続して愛車が不具合をおこすことが実際にある!【デメリット】

というわけで、レーダー探知機を愛車に使うか否かはあくまで自己責任です。

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それは実際に現場で、レーダー探知機に起因する不具合が発生しているのを見てきたからこそ、現役整備士であるわたしも感じています。

レーダー探知機×クルマの不具合は人間関係に例えると分かりやすい

これはレーダー探知機に限らず、電子デバイス全般に言えることです。

レーダー探知機の不具合(デメリット)は人間関係に例えて説明すると、わかりやすいのでいくつか事例を挙げてみましょう!

  1. 購入したレーダー探知機が、愛車に使っても問題ないかどうかは、実際に使ってみないと分かりません。

    →初めて会ったひと同士が、友達になれるかそうでないかは、実際に会って話してみないと分かりませんよね?

  2. 不具合があり得るのか否か、メーカーがあらかじめ教えてくれないの?

    →学校に入学して、担任の先生が毎年すべての生徒同士の相性を、「合う・合わない」と事前に判断して、教えることが可能ですか?

  3. はじめはレーダー探知機接続しても問題なかったんだけど、ある日突然意味不明なチェックランプが点灯したりして、ディーラーで見てもらったら、レーダー探知機のせいって言われたんだけど納得できない!だって、最初はなんともなしに使えてたんだよ?

    →一度、仲良くなった友だちは、そのまま仲の良い大親友になる可能性もありますが、どこかで大ゲンカをして仲違いして以降、もう口も利かない関係になるかもしれませんよね?

エンジンコンピューター破損で、自己負担×高額修理の可能性も

わたしが以前在籍した国産メーカーのクルマは、特定のレーダー探知機製造メーカーとは相性が悪く、メーカーから『〇△製のレーダー探知機でOBDⅡ接続タイプのものは、使わないようにお客さまにご説明ください』とお達しがありました。

実際に現場で確認できていたのは、ラインナップしているすべての車種で不具合が発生するわけではなく、一部の車種に限るということと、該当車種は電動パワステの通信系統にエラーが入ることが稀にあり、チェックランプが点灯するというもの。

また、自動車整備士のなかで工場から整備主任者に任命されているスタッフは、年に一度整備振興会のおこなう講習に参加することが主任者を継続するうえで義務となっていますが、数年前の講習で「OBD2Ⅱ×レーダー探知機」の不具合事例の紹介と共有がされていました。

その際は、とあるメーカーの一部車種で、レーダー探知機が原因でエンジンコンピューターが破損し、10万円以上もの高額な修理費用が発生した事例がいくつも挙がっていると紹介されていました。

エンジンがかからなくなる可能性もあり、もし出先で不具合が発生しようものなら大変です。

まとめ【OBDⅡ利用】クルマの情報が見れる便利なレーダー探知機が愛車を壊す?|デメリット

以上のような不具合の発生そのものは、現時点ではかなりの少数派ではあるので、変に警戒しすぎる必要はないのかな?…とも思います。

しかし、現実に起こっていることとして認知しておく必要がユーザー側にもあります。

  • 自動車メーカーが公式に認めている使用方法ではない(診断機専用)
  • レーダー探知機製造メーカーも使用は自己責任である旨を記載

上記のことが確認できる以上は仕方ないことです。

とは言え、男心くすぐるギミック溢れるレーダー探知機は魅力的なアフターパーツのひとつです。

じっくり吟味して、愛車に差支えのないものを選ぶようにしましょう!

ちなみに以下のレーダー探知機は、Amazonでも楽天市場でも人気ランキング1位常連のものです。

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決して安い商品ではありませんが、この手のものは安物買いの銭失いとなることも多いのです。

やみくもに高いものを買う必要はないですが、最低限安心できる大手メーカーのものを購入することをオススメします!

この記事を書いた人

元某国産ディーラー→現在は高級欧州車ディーラーの現役自動車整備士。
合格率3%とも言われるメーカー最上位資格を取得。

整備の技術・知識を競う全国大会にも会社代表で出場するなど、整備士としてやることはやりきってきました。

それらを活かしたカーライフに役立つ知識や、ライフスタイルに関する情報を発信しています。

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