あこがれのクルマが欲しいけど、少しでも出費を抑えたい…そんな悩みに頭を抱える人も多いはずです。
ディーラーの中古車は値段が高いイメージがあり、それだけで敬遠する人もいます。
しかし、仮に相場より高くてもディーラーで買うべき理由を、1番近いところでクルマと接するプロの現役整備士がズバリ解説していきます。
※売ることに関しては話はまた別なので、中古車を「買うこと」だけに特化した内容であることをご理解くださいね!
中古車はどこで買うの?
中古車はさまざまな経路で購入することができるので、まずはどのような買いかたがあるのか紹介します。
5つの中古車の購入方法
中古車を買うときは、一般的に以下の5つの方法で買うことになります。
・自動車ディーラーの認定中古車
・全国チェーンの大手中古車専門店の中古車
・個人経営のクルマ屋の中古車
・業者オークションに出品されている中古車
・オークション・フリマサイトに出品されている中古車
業者オークションとは、自動車の販売業者間がおこなう中古車の売買取引のことで、一般人は会場に出入りすることはできません。
よって、オークション・フリマサイトで中古車を買う場合のみ個人売買となり、それ以外はお店を介してクルマを買うことになります。
購入方法をおすすめ順に並べてみた
紹介した中古車の買いかたを、おすすめの順に並べると以下のようになります。
- 自動車ディーラーの認定中古車
- 全国チェーンの大手中古車専門店の中古車
- 個人経営のクルマ屋の中古車
- 業者オークションに出品されている中古車
- オークション・フリマサイトに出品されている中古車
先ほど、紹介したとおりの順番ですね。
中古車の買いかたを思い浮かべていくと、自然とおすすめの順番で紹介していました(笑)
もちろん、こうした順番になったにはきちんとした理由があります。
わたし自身の経験談もふまえながら、このあと解説していきます。
ちなみに、個人経営のクルマ屋の中古車に関しては、かなり評価が分かれるので判断が難しいところです。
例えば、マツダのロードスターの専門ショップというのは全国あちらこちらに存在します。
こうしたショップは、ほかのクルマの整備ももちろんおこないますが、ロードスターという1つの車種に特化した高い専門性を持っています。
コアなファンはこうしたショップを好み全国からお客さまが集まります。
コアなファンからの高い要求にも応えつつ、ロードスターの整備をこなす数も自然と多くなるので、独自のノウハウも多く蓄積されていきます。
純正にはないパーツを開発してしまうショップもたくさんあるよ
そのようなショップが販売するロードスターの中古車は、古いものでも安心して乗れるようにきちんと整備されています。
もちろん値段はそのぶん高くなりがちですが、お金をだす価値のある、状態のすばらしい中古車であることは間違いないでしょう。
よって、個人経営のクルマ屋の中古車のなかでも、こうした特殊な例は今回の記事ではのぞいていると考えてください。
※ちなみにディーラー以外で中古車を購入することをおすすめしない理由は、以下の記事でわたしの体験談を元に解説しています。
ディーラーで中古車を買うべき理由
それでは、ディーラーで中古車を買うことのメリットとデメリットを解説します。
ディーラーで中古車を買うメリットを5つ紹介
1.メンテナンス履歴が明白
ディーラーで扱う中古車のほとんどは、下取り車両かつ自社でメンテナンスされてきたクルマです。
自社でのメンテナンスはすべてデータ管理され履歴として残っていますし、ディーラーで整備されているのであればメンテナンスノートや記録簿も、ほとんど車内で保管されています。
過去にどのような整備がされてきたのか、調べればすぐにわかることは、買い手側にとっても売り手側にとっても大きなメリットですね。
2.確実な納車前点検・整備
ディーラーの中古車の値段が高くなりがちな理由のひとつは、納車前に必要となる整備費用が車両価格にすでにふくまれているからです。
わたしの務めるディーラーでは車両ごとの販売価格によって、整備にかけられる費用が決められています。
このなかには、高額になりがちなタイヤやバッテリーもふくまれます。
また、ワイパーゴムはもちろんのことベルトなどの消耗部品もまだ交換が必要でないレベルでも可能な限り、交換してしまいます。
理由はひとつです。
せっかくディーラーで中古車を購入したのだから、購入直後に必要となる整備や部品交換を抑えることが、その後の安心なカーライフにつながるからです。
もし、基準の整備費用をこえそうな場合は、上司が中古車部門に掛けあってくれます。
お客さまのためにやれることはやってしまおう!…という雰囲気がしっかりと根付いてます。
3.そのメーカーの専門家にしかわからない知識・技術がある
優秀な整備士はディーラーに限らずいますが、トヨタであればトヨタ、ホンダであればホンダのディーラーは全国のネットワークにより、さまざまな修理事例や情報を共有しています。
この情報量は、ほかのクルマ屋は絶対にかないません。
もちろんディーラー整備士、個々のスキルの差はありますが、こうしたディーラーだからこその情報があることで、予防整備やユーザーにメリットのある情報提供をすることができます。
4.ディーラーならではの、しっかりとした保証
ディーラーの中古車はすべて、「認定中古車」として販売されています。
メーカーの看板を背負った認定中古車である以上、しっかりとした中古車保証があるのは当然のことです。
保証内容も申し分ないので安心してください。
もちろん新車とは違うので、新車のように3年6万kmや5年10万kmもの保証があるわけではありませんよ。
5.事故歴・修復歴のあるクルマは基本的に販売しない
わたしの勤めるディーラーでは、下取り時の査定で事故歴・修復歴のあることがわかったクルマは、販売をおこないません。
もちろん、きちんと修理して走行に問題のないクルマもありますが、それも含めてです。
これは、ディーラーに安心・信頼を求めるユーザーを考えてのことです。
わたしはこれを知ったとき、そこまでやるかと正直思いましたが、ユーザーにとってはありがたい取り組みですよね。
では、まだまだ使える下取り車はどうするのか。
これは業者オークションに出品して、利益をあげています。
デメリットを1つ紹介
あえてディーラーで中古車を買うデメリットをあげるとすれば、やはり購入価格が高くなりがちなことでしょうか。
しかしそれもイメージで、メリットを考えるとむしろ割安感さえあるかもしれません。
試しに新聞にはいっているチラシや中古車情報サイトで、ディーラーの認定中古車とそのほかのクルマ屋の中古車で、同程度のものを比較してみてください。
そのことがわかるはずですよ♪
まとめ
ディーラーに勤めているので、もしかしたら色めがねで見えている部分も0ではないかもしれません。
それでも、「修復歴・事故歴ありは店頭に中古車として並べない」という徹底だけでも、クルマに対する十分な信頼に値するかと思います。
ここで紹介した「中古車をディーラーで買うべき理由」が、いまいちピンとこないと思うかたは、こちらの記事を読んでみてください。
https://hiroadster.com/2019/06/usedcar-ngpoint/
逆にディーラー以外のクルマ屋で中古車を買うデメリットを紹介しているので、照らし合わせれば
中古車はディーラーで買うべき
・・・理由を、理解できるはずです。