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新型マツダ6の2.5Lガソリンターボモデルを、独自に徹底深掘り!【スペック比較。なぜ?今?】


アクセラに続いて、アテンザもついにその馴染みある名前から世界共通の呼称として、マツダ6へと変更になりました。

名前がかわることは早くから想像できていた人も、

  • まさかこんなマイナーチェンジのタイミングで?
  • 外観も特に変わらないのに?
  • やるならフルモデルチェンジのタイミングでしょ!

…と思っているのではないでしょうか。

とは言え、ついに2.5Lのガソリンターボが搭載されたのも注目すべき点で、どんなエンジンなのか気になっている人も多いはずです。

ここでは、そんなマツダ6に新たに搭載された2.5Lガソリンターボエンジンについて徹底的に深掘りしていきます。

目次

マツダ6の2.5Lガソリンターボエンジンのスペック

2.5Lガソリンターボエンジンの各数値を、既存のエンジンと比較しながら深彫りしていきましょう。

 

マツダ6搭載 2.5Lガソリンターボエンジンの各数値とスペック

マツダ6の2.5Lガソリンターボエンジンの各数値・スペックの一覧を以下にまとめました。

 

・圧縮比・・・10.3
・最高出力・・・169kw(230PS)/4,250rpm
・最大トルク・・・420N・m(42.8kgf・m)/2,000rpm
・使用燃料・・・レギュラーガソリン
・WLTCモード燃費・・・12.4km/L
・市街地モード・・・9.3km/L
・郊外モード・・・12.6km/L
・高速道路モード・・・14.3km/L

 

マツダ6搭載 2.5LのNAガソリンエンジンと比較

先ほどの項目を、2.5LのNAガソリンエンジンと比較した表は以下のとおりです。

 

項目 2.5Lガソリンターボエンジン   2.5L NAガソリンエンジン
圧縮比 10.5 13.0
最高出力 169kw(230PS)/4,250rpm 140kw (190PS)/6,000rpm
最大トルク 420N・m(42.8kgf・m)/2,000rpm 252N・m(25.7kgf・m)/4,000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン レギュラーガソリン
WLTCモード燃費 【12.4km/L】
市街地モード…9.3km/L
郊外モード…12.6km/L
高速道路モード…14.3km/L
【14.2km/L】
市街地モード…10.6km/L
郊外モード…14.5km/L
高速道路モード…16.8km/L



ちなみに変速比や最終減速比は異なります。

NAエンジンのほうは気筒休止システムを搭載していますが、ターボエンジンには搭載されていません。

燃費面は、やはりNAエンジンのほうが優れていますね。

それでもWLTCモード燃費で12.4km/Lあれば、ひと昔前の同等レベルのガソリンターボエンジンと比べるとかなり燃費は良くなっていると言え、十分な数値だと言えます。

 

最大トルクは2,000rpmで発揮、ターボのおかげで低回転域からもモリモリ走ってくれることがスペックからも理解できます。

 

マツダ6搭載 2.2Lクリーンディーゼルエンジンと比較

次にディーゼルエンジンとも比較してみましょう。

項目 2.5Lガソリンターボエンジン 2.2Lディーゼルターボエンジン
圧縮比 10.5 14.4
最高出力 169kw(230PS)/4,250rpm  140kw (190PS)/4,500rpm
最大トルク 420N・m(42.8kgf・m)/2,000rpm 450N・m(45.9kgf・m)/2,000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン 軽油
WLTCモード燃費 【12.4km/L】
市街地モード…9.3km/L
郊外モード…12.6km/L
高速道路モード…14.3km/L
【17.8km/L】
市街地モード…13.9km/L
郊外モード…17.6km/L
高速道路モード…20.8km/L



ディーゼルのトルクには敵わないものの、それに匹敵するビッグトルクであることは間違いありません。

最大出力が、ディーゼルよりわずかに低い回転数のときなのは意外ですね。


燃費もふくめて、数値だけで比べるとディーゼルエンジンほどのインパクトはないのが正直なところでしょう。

また、最終減速比は異なりますが、変速比はディーゼルのFFモデルとまったく同じです。

 

2.5Lガソリンターボエンジンには北米で蓄積されたノウハウがある

2.5Lのガソリンターボエンジンは、北米を中心としたそのほかの地域で販売されているCX-9(SUVのフラッグシップモデル)にすでに搭載されていました。

 

(北米では環境基準の問題からディーゼルエンジンは市場に投入されていません。)

日本ではまだまだフレッシュな印象の強いエンジンですが、海外のマツダではすでに馴染みのあるエンジンです。

2.5Lガソリンターボエンジンは、4.0.LのV8自然吸気(NA)ガソリンエンジン並みのトルクを誇るだけあって、トルクの数値はなかなかインパクトのある数値です。

 

(さっきディーゼルと比べるとインパクトがないと言ったところですが…)

というのも、時代は違えどスポーツカーの名車スカイラインGT-R(BNR34型)の392N・m(40.0kgf・m)を超えるトルクを叩き出しているので、すごいものです。

 

しかも、これだけのビックパワーを誇りながら、ハイオクではなくレギュラー仕様であるところも注目すべき点です。


また、速度域で排気経路を切り替えていて、低速域から高速域までベストな排気ガスの流れをつくることによって、幅広い領域で効率よく高い加給性能を実現しています。


しかも排気経路を切り替えることは、ターボエンジンでありながらNAエンジンのようなレスポンス実現にも、ひと役かっています。

(このシステムはダイナミック・プレッシャー・ターボシステムと呼ばれる世界初の技術)

 

こうした技術の採用は北米ですでに実績・ノウハウを積み重ねてきた賜物といえます。

2.5Lガソリンターボはいま、ほんとうに必要なのか?

なぜいま、2.5Lのターボエンジンのようないま主流のエコとは逆行するようなエンジンをこのタイミングでマツダ6に投入してきたのでしょうか。

マツダ6以外のほかのモデルでもすでに2.5Lガソリンターボは追加済み

日本ではまだまだ新鮮なマツダの2.5Lガソリンターボエンジンは、CX-5とCX-8にもそれぞれマイナーチェンジのタイミングで追加されています。

これまで2.5LのNAガソリンエンジンはすでにありましたが、ここに来てハイパフォーマンスモデルというような位置付けでターボモデルが出てきましたね。

実際に、CX-5では【25T L Package】の車両価格が332万円と、ディーゼルモデルの最上級グレード【XD L Package】の価格333万円と、ほとんどかわらない価格設定です。


エコ (環境に…というより家計に) が正義!!

…という風潮にあるなかで、車両価格が高くても、よく走り燃費もよくて燃料代も安くおさえることができるディーゼルモデルは人気も高く、もっとも売れ筋なのは間違いありません。

そこで、あえてそんな魅力だらけのディーゼルモデルより高い価格帯で勝負するメリットはあるのでしょうか?

 

マツダが生き残るための独自性

先ほどの疑問に対する明確な答えはありませんし、メーカーもわざわざ解説もしていません。

ただ、マツダのような小規模なメーカーがこれからの時代も勝ち残るためには、独特性をもって勝負していく必要があります。

マツダと似たような規模のスバルであれば、アイサイトに代表される安全装備を前面に宣伝していますね。

これがマツダの場合は

 

  • 「Be a driver」
  • 「人馬一体」

 

・・・です。

簡単に言えば、マツダは運転していて楽しいクルマをつくることをユーザーに約束してくれているメーカーなのです。

そしてマツダはそれを自分たちのカラーとして、これからの時代を戦っていくと決めたのです。

クルマ好きのための選択肢を増やすための2.5Lガソリンターボ

クルマ好きにもいろいろなかたちがありますが、その多くのひとは運転も好きなはずです。

 

マツダは、トヨタやホンダですらラインナップからスポーツカーが消えた時代で、どれだけ会社が厳しい状況であっても、ロードスターを作り続けてきました。


そのポリシーは今でも生き続けています。

それは、いまでもマニュアルミッション車をCX-8以外のすべての乗用車にラインナップしていることが証明しているはずです。


エンジンも同じで、いくら性能のよいディーゼルエンジンが世の中にウケていても、ガソリンエンジンならではの伸びがあって、なおかつパンチ力のあるターボエンジンが欲しい人がかならずいるわけです。


今となっては少数意見かもしれませんが、そんなわずかな市場であってもマツダは期待に応えたい。

そのひとつが、2.5Lガソリンターボエンジンの国内追加なのではないでしょうか。

まとめ【マツダ6になぜ今、2.5Lガソリンターボなのか!?】

マツダがいま、2.5Lガソリンターボエンジンを追加した理由をさいごに、すごーく簡単にまとめましょう。

マツダが生き抜くための独自性は【クルマ好きに選ばれるクルマづくり】です。

 

そのために、大きな排気量×ターボというニッチなニーズに応える選択肢を出してきたのです。

 

あくまで独自での解説ではありますがどうでしょう?ご納得いただけましたか?

次期マツダ6はFR化され、ディーゼルと次世代【スカイアクティブX】の直列6気筒エンジンが搭載されるといううわさもあります。

これからもアテンザ改めマツダ6から目が離せませんね!

 

 

この記事を書いた人

元某国産ディーラー→現在は高級欧州車ディーラーの現役自動車整備士。
合格率3%とも言われるメーカー最上位資格を取得。

整備の技術・知識を競う全国大会にも会社代表で出場するなど、整備士としてやることはやりきってきました。

それらを活かしたカーライフに役立つ知識や、ライフスタイルに関する情報を発信しています。

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