マツダが世界で初めて市販化を実現した、圧縮着火エンジン【スカイアクティブX】
ディーゼルとガソリンエンジンのいいところ取りと言われても、正直なところメカオタクでもない限り、そんなことはどうでもいい話だったりするわけです。
知りたいのは、ふつうのガソリンエンジンより数十万円も高いお金を出す価値がある走りをしてくれるのかです。
そうだそうだー
今回は、そんなスカイアクティブXが初搭載されるマツダ3を元に、スカイアクティブXエンジンの実力を簡潔かつわかりやすく迫っていこうと思います。
スカイアクティブXを支えるSPCCIってなに?
スカイアクティブXのエンジンを始動すると、そこはふつうのガソリンエンジンとは大きな違いはありません。
これは、圧縮着火エンジンといってもすべての領域で行うことは不可能なので、アイドリングは通常のガソリンエンジンと同じようにスパースプラグをもってガソリンに点火してしているからです。
走行中も常に圧縮着火しているわけではありません。
たとえば、少しアクセルを開けて走行しているような状況だと圧縮着火をおこなっています。
ちなみに、いま圧縮着火領域なのか?そうでないのかはマツダコネクト(通称:マツコネ)の画面にてチェックできます。
このように、スカイアクティブXは圧縮着火のできる領域でおこない、それ以外では今までのようにスパークプラグを使って着火する・・・つまり、圧縮着火をコントロールしているのです。
これを、マツダ独自の燃焼方式として
【火花点火制御圧縮着火】
と呼んでいます。
そして、これを英語表記であらわすと
【Spark Controlled Compression Ignition】
となり、スペルの頭文字をとって【SPCCI】と呼びます。
スカイアクティブXの真髄はなめらかさ
スカイアクティブXの走行フィールについて掘り下げていきましょう。
スカイアクティブXのポジティブな面
SPCCIを採用したスカイアクティブXの走行フィーリングを、ひとことで表わすと
【加速がなめらか】
ということです。
静かで不思議な走り出しは、今までに味わったことのない感覚です。
スカイアクティブXのエンジンスペックの数値を見ると 「たいしたことない」 というのがネットでもよく見受けられる意見ですが、そこには確かに従来のエンジンとは違う感覚があります。
マツダ3というクルマ自体がそのデザインを表現したかのような、なめらかな乗り味をもっていますが、スカイアクティブXはエンジンそのものも【なめらか】です。
シフトショックも不快に感じずなめらかなつながりを実現しています。
【マツダ3とスカイアクテイブXエンジンのセット】は、マツダ3というクルマが今後のマツダ車【第7世代商品群といわれる】を、どう示しているのかがもっともはっきりとわかる組み合わせとも言えるでしょう。
このことから、やみくもにスポーティーではない走行フィールですが・・・
これこそがいまマツダがCMで唱えている
美しく走る
ことを、クルマの心臓部であるエンジンであらわしたものという解釈で間違いないのではないでしょうか。
スカイアクティブXのネガティヴな面
【なめらか】というと、逆に言えばするどい加速感は味わえないとも言えます。
もともとよく走るクルマにあるような、パンチ力のあるエンジンという印象は受けないので、物足りなさを感じるひともいるのは事実かもしれません。
特に、アクセル全開時でのレスポンスはするどいのではなく、あくまで【なめらか】です。
また、停車状態からの発進時も少し鈍さを感じてしまうかもしれません。
このあたりは、圧倒的なトルク感でモリモリ加速してくれるディーゼルエンジンの走行フィールのほうが、断然好みなひとも少なくはないでしょう。
高速道路は快適に走行
高速走行時の感覚も大事な要素のひとつです。
スカイアクティブX搭載のマツダ3の場合、100km/hではエンジン回転数が2,100rpmほどです。
120km/hだと、2,600rpmくらいです。
アクセルを踏めばなめらかにしっかりと加速する感覚は、高速走行との相性は◎
エンジン回転数はふつうより若干高めな印象ですが、静粛性に優れたマツダ3の場合はまったくといっていいほど気になりません。
また、ガソリン・ディーゼルモデルだと少し物足りない印象の6速ATも、スカイアクティブXであれば十分な印象で悪くはない組み合わせです。
とはいっても、マツダの普通乗用車のAT車はすべて6速ATでラインナップされています。
今後さらに、ユーザーを満足させるクオリティのクルマづくりをするのであれば、少なくとも「CX-5」「CX-8」「マツダ6」には8速ATくらいは載せてほしいところです。
もちろん、これにマツダ3も加わるのであればなおさら良いですよね!
スカイアクティブXの実力まとめ
マツダ3から感じとれたスカイアクティブXエンジンを実力をまとめます。
- するどさよりなめらかさ
- これはこれまで味わったことのない、あたらしい感覚
- 走行中のにおける実用域での扱いやすさを追求したエンジン
特に、最後の部分がいかにユーザー自身の中で落とし込みができるのかが、カギとなるのではないでしょうか。
高いお金を払ってまでスカイアクティブXを買って、その走りに満足できるか否かはここがポイントだと思います。
燃費面はかなり優れていると言われていますが、まだまだ情報が出てきていません。
こちらは情報をつかみ次第、追記していこうと思います!!!!!
ちなみに、マツダ3に関しては以下のような記事も書いているので気になった方はぜひ。
また、今回の記事は自動車ジャーナリスト河口まなぶさんの試乗記を参考にさせてもらっています。
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