ディーラーでの洗車はトラブルの元?現役整備士が考えるクルマ業界の未来

お仕事《自動車整備士》

自動車ディーラーで車検や点検などで持ち込んだときに、サービスでおこなってくれる洗車ですが、ありがたい反面トラブルの原因となることも実は多いです。

わたしの勤めていた・勤めているディーラーではそのようなトラブルはほぼ皆無でしたが、SNSを見るとディーラーに対する不満が毎日のようにつぶやかれています。

 

↓内容も内容なので、ツイートの引用ではなく文章のみを引用しています。

ディーラー洗車はクソ

ディーラーの点検で洗車して 貰ってから線傷増えた気がするんだが

 

洗車をしてもらったことに対して、好意的なツイートも多い一方で、たまに流れてくる攻撃的な内容のツイートです。

また、以下のような前提でディーラー洗車に関する記事を書かれているブログを拝見しました。

ディーラーで洗車だけをお願いしてもまったく問題ありません

 

今回は、あえてその意見に真っ向から勝負!

以下の結論に至る理由を、徒然と思うがままに書いていきます。

ディーラーで洗車だけを頼むのはNG。
また、こだわりがあるなら、洗車を一切お任せしないのが吉。
 

ひとえにディーラといっても、千差万別ですからね。

加えて、これはわたしの主観的な意見・経験に基づく記事なので、これを鵜呑みにしてディーラーってこんなもんだと考えるのも危険な発想です。

 

この記事は、なんとなーくで軽く読み流すことをオススメします。(笑)

 

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ディーラーでの洗車で起こりうるトラブル【7選】

ディーラーで洗車をした時に起こりうるトラブルを紹介します。

ここでは大きく7つの事例を紹介します。

 

クルマに洗車キズがつく

特に新車やブラック等の濃色ボディカラーのクルマにお乗りのお客さまに多いトラブルです。

また、日頃からご自身で洗車されるなどしてクルマの状態を把握している方は、より一層気になることでしょう。

 

おい!こんなところに線キズなんてなかったぞ!

お前らが洗車時につけたんとちゃうか!

 

  • 洗車は、手洗いであればスポンジを使います
  • 洗車機も使います
  • ボディにはホコリ・ゴミなどが付着しています

 

→あなたのクルマを洗車するたびに、スポンジを新品にするわけにはいきません。

→洗車機のブラシだって、頻繁に交換するものではありません。

→雨風に晒され、屋外を走行するクルマは汚れています。
 

このように洗車をする場合に、万が一にもキズがつく恐れのある要因から完全には逃れようのない実情があります。

もちろん、水をたっぷりかけながら手洗いする・高圧洗浄機であらかじめボディに付着したホコリ・ゴミをできる限り飛ばす…等の、対策はありますが、それらも完ぺきではありません。

 

当然ですが、洗車の実施者によってもリスクの大小は変わってきますね。

 

洗車の拭き残しがある

せっかく洗車をしてもらったのに、拭き残しがある・水垂れがあることに不満を漏らすお客さまもいらっしゃします。

 

シミになるだろ!

どうせやるなら、完ぺきにしろ!

 

クルマにはさまざまな外装パーツが組み合わさっていて、その隙間にまで入った水滴を拭きあげることは不可能です。

エアブローなどで隙間の水分を飛ばすことも可能ですが、それも必ずできるわけではありませんし、やったとしても当たり前ですが水滴を0にすることは不可能です。

 

またボディの構造上、拭き上げがかなり困難であることも、もちろんあります。

 

お客さまをお待たせしている、ほかの仕事も無尽蔵にあるディーラーで1台のクルマの洗車に何時間もかけるわけにはいかず、ほどほどのところで終わらざるを得ません。

それでも、お渡し前にクルマを動かしたことで垂れた水は、そのときに拭きあげて最終チェックするなどします。

 

車内清掃が実施されていない

【洗車=外観も車内もすべてやってくれるのが当たり前】という風に考えてらしゃるお客さまにとっては、室内清掃がされていないことに腹を立てる方もいらっしゃします。

 

車内が汚いままやないか!!
(汚したのはあなたやないか…)

 

たとえば、わたしの働いていた店舗の場合は、車内清掃実施は法定点検・車検・重整備・新車点検というようにルールがありました。

半年点検は外観の洗車のみだったのですが、このときに「車内清掃がなかった!前はあったのに!」(前というのは法定点検)というクレームがアンケートに投稿されました。

 

クルマを預かったスタッフが洗車の内容に関して、きちんと説明してなかったかもしれないことが、トラブルの一番大きな要因でしょう。

 

手洗いといったのに洗車機に通されている(洗車不要なのに実施される)

うわぁ…、洗車機は自分でも通したことなかったのに、気づいたら自分のクルマが洗車機の中に…

 

スタッフ間の情報共有ができていない・行き違いによって、本来は洗車機がNGであるはずなのに、洗車機に通されてしまったことで、大きなトラブルになることが多いです。

また、洗車そのものを「不要」として伝えたにもかかわらず洗車されることもあります。

 

後者は前者と同じくスタッフ間のやり取りの問題もありますが、スタッフが「クルマが汚れてて…時間もあったので!」という親切心で、やってしまうこともあります。

(この場合は怒りのやり場に困りますね)

 

このトラブルに関しては、お店側に落ち度が100%あります。

洗車機はNG、または不要と確実に伝えているのですから。

 

ボディコーティングをしているのに撥水洗車される

クルマにこだわる方のなかには、ご自身でボディコーティングをしてらっしゃる方もいるでしょう。

コーティングによっては、「水洗いのみOK」や、「ほかの撥水・ワックス等の施工はNG」といったものがあります。

 

この場合は、おそらくお客さまのほうからその都度、入庫したときにその旨をスタッフに伝えるはずです。

これも【手洗いといったのに洗車機に通されている(洗車不要なのに実施される)】の事例と同じく、スタッフ間の情報共有が確実にされていないことが原因です。

このトラブルも、お店側に落ち度が100%あります。

 

洗車に時間がかかり大幅に待ち時間増

おいおいおい!いつまで待たせるねん!
点検だけで何時間かかるんや!

 

自分の予想に反して、洗車に時間がかかり待たされることで不満・トラブルにつながることもあります。

冒頭で「今回の作業時間は〇〇分です!」と伝えられ、それを大幅にオーバーしているのなら、なおさらです。

 

お客さまは、「ほかにも作業がいっぱい入ってるしね、うんうん仕方ない。いくらでも待つよ」…なんて思いやりをあえてもって、仏の心では待ちません。(そのあとに予定がある場合もありますしね)

↑そらそうですよね(笑)

 

洗車は、日常業務の+αのあくまでサービスです。

自分たちだけでは手が回らず、

 

  • 洗車スタッフを雇う
  • 本社からヘルプに来てもらう
  • 空いてるスタッフが無差別に洗車をする
    (そもそも土日ともなれば、そんな暇なスタッフはいない)

 

これで、なんとか現場を回しているレベルです。

もちろん、洗車スタッフが都合よく雇え、本社スタッフが都合よく手伝いに来てくれるわけではありません。

 

待ち時間増のトラブルもお店側に要因があるので、お客様にとっては知ったこっちゃない話ですね。

 

部品が壊れる・外れる

あれ?貼ってたステッカーが剥がれてる!

え?引っ掛けてアンテナが折れた⁉

 

洗車をしたことで、部品を損傷させるトラブルに見舞われることもあります。

洗車機・手洗いどちらでも起こりうるトラブルです。

 

そのまま、クルマに乗って帰れるトラブルならまだしも、ミラーが壊れてしまうなどで自分のクルマに乗って帰れないなんてことにならば、怒りは絶頂です。

クルマのメンテナンスに来て、整備において新たな不具合が出て帰れなくなるならまだしも、洗車で壊れるって…呆れるわ。

…というのが本音でしょう。

 

滅多にあることではありませんが、十分に考えられるトラブルのひとつです。

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ディーラーでの洗車の未来を考察

きれいにしてくれてありがとうね

一般的にはこのように感謝されることの多い、ディーラーでのサービス洗車。

 

しかし、先ほど紹介したような稀にあるトラブルによって、お客さまも嫌な気分になりますが当然ディーラー側のスタッフも疲弊します。

もちろん、ディーラー側のミス・落ち度が原因なのは言語道断、迷惑をかけたお客さまに誠心誠意の対応はするべきです。

とは言え、ディーラーのスタッフも人間ですので主張したいことがもちろんあります。

 

時間も人手も足りないなか【お客様満足のために】と、無料・サービス・親切でやっていることなのに、それに対して文句を言われ・過度な注文をされ、ネットで「Dはクソ!」と言われたい放題なのですから、そりゃそうなるよね…というのが正直なところです。

(もちろん、まったくちゃんとできないディーラースタッフが不満を発するのは言語道断ですよ)

 

「お客さまは神さま」という言葉の誤解

自分が見てる検証系の動画でディーラーの対応話しに花が咲いたのですが。 そこに来たディーラー系の人? コメントが全て自分達都合w 挙げ句の果てには洗車はサービスだからウザい客には適当。 とか言い出す始末… ディーラー代表?で来たのに残念すぎる… クレーマーをリピーターに変えるのがプロ。

 

こうした厳しい意見があります。

この書き込みをしたひとの考え【クレーマーをリピーターに変えるのがプロ】を、ディーラースタッフが自発的に持てる環境づくりが重要です。

 

しかし、それを阻害している環境として、職場環境や一部のモンスタークレーマーの存在や、SNSでのディーラースタッフを見下した発言等があると思うんです。

上記で引用したコメントもそういった要因が重なった結果、招いた事案だと考えます。

 

【お客さまは神さま】は本来、価値を提供する(ディーラースタッフ)側のプロ意識を例えたものであり、お客さま側が自らの権利のように自己主張するための言葉ではありません。

 

すべてはこの一言で解決すると思います。

スタッフ・お客さまの双方がこれを理解できていない場合にのみ、歯車が噛み合わなくなりトラブルへと発展し、両者ともに嫌な思いをすることにつながるのです。

 

洗車は完全有料化・無料の洗車は廃絶すべき

わたしが自分勝手に考える、ディーラーでの洗車サービスの未来は、以下のような姿であるべきです。

  • 労働に見合った完全有料化
  • 無料の洗車は廃止

 

労働に見合った価格設定で洗車を完全有料化

ディーラーでの洗車は【作業+α】で完全に無料のサービスでのみおこなっているところや、ワンコイン洗車などとうたい洗車のみの入庫でも受け入れてくれるところなど、さまざまです。

ワンコインと言っても、自動車整備士の工賃レートは安くても8000円~ですし、ガソスタで洗車をお願いしてもそんなに安い値段ではやってくれないので、お金を取るディーラー洗車であっても破格の安さでおこなっているのが実情です。

 

お金という単位のみでディーラー洗車を語るのは無粋かもしれませんが、これこそ洗車のクオリティに問題が生じてトラブルの原因になる元になっていることは間違いありません。

あなたは引っ越しのときに、エアコン取付工事や家電の設置依頼をしたことがありますか?

 

家電量販店の担当者は

「家電の値引きはできても、作業に際しての工賃は職人さんが体を動かし働いている以上、値引きやサービスは一切できません(そういう概念はない)」

と、説明してくれるはずです。

 

自動車整備士は国家資格を持ち、自身の知識・技術に自信とプライドをもって仕事をしています。(そうであって欲しいです)

本来であれば、整備をおこなうはずの貴重な時間を割いておこなう洗車がタダとなれば、

 

「そんなアホなことあるかい!!俺らのことボランティアやと思ってんのか⁉

と考える人も出てくるのは自然な流れです。(もちろん、そう思わない方もいますよ)

 

こういった問題を解決するためには、自動車整備士本来の工賃レートに照らし合わせた料金で有料洗車を実施するしかないと考えます。

具体的には、ガソリンスタンドの洗車と同等レベルの価格設定でよいと考えます。

 

こうすれば、「そんなアホなことあるかい!!俺らのことボランティアやと思ってんのか⁉」と考える自動車整備士(ディーラースタッフ)も納得し、その金額に見合ったクオリティでの洗車を実施するべき状況になるはずです。

それでもやらないやつは、やらないだろって意見はNGです。
逆にそのときは、こちらはきちんとサービスの対価としてのお金を払っているんですから、堂々と異議申し立てすればよいだけの話です。
 

無料の洗車は廃止

洗車の完全有料化と合わせて実施すべきなのが、無料・サービス洗車を一切廃止することです。

有料化した以上、公平性を保つために無料洗車はきっぱり無くすほうがよいでしょう。

 

結局、ディーラーでの洗車トラブルで、単純にディーラー側に非がある場合以外は、無料がゆえにそこそこのクオリティでの洗車となるのに、一部のユーザーが(ディーラーマン=洗車のプロとして)自分のクルマだけを、自分の価値観で満足いく仕上がりにしてもらえないことに不満を抱くことが発端です。

 

これらは、ディーラーの過度なサービス競争によって、自分たちで自分たちの首を絞めてきた末路とも言えます。

 

高いクルマを買ってるんだから、洗車くらいのサービス当然だ

 

点検パックで12ヶ月点検に来たが、エアコンのフィルターの有料交換は分かるが、有料で撥水洗車すすめてくるとか何?洗車有料とか意味わからんし。

 

こうした価値観ができあがってしまったのは、ある意味ディーラー側の自業自得な部分もあります。

それがゆえに、業界全体で引くべきタイミングを見失った感が否めません。

 

もう思い切って、無料・サービスでの洗車を無くすべきです。

無料・サービスでやっていることなのに、それがキッカケでトラブルがあったときに、SNSで

 

「○〇〇メーカーの××店は、洗車テキトーでクソ!もう行かん!これだからDは信用できない!」

 

なんて、言われる世の中です。

それならはじめから【触らぬ神に祟りなし】、一切やらないというのも選択肢のひとつとしてあってもよいはずです。

 

ましてや、人手不足がかなり深刻な問題となっていて、はたらき方改革が急がれる自動車業界です。

やることが増える(洗車)

本来の整備の仕事が進まない

残業増

職場環境に疲弊した退職者増

人手不足でやることがさらに増える

(無限ループ&業界の悪い噂が蔓延)
 
  • サービス
  • 無料
  • お客様の為
  • やるのが当たり前

そんなディーラーの習慣を一度、立ち止まって考え直すべき時代になったのではと考えます。

 

まとめ【ディーラーでの洗車はトラブルの元?現役整備士が考えるクルマ業界の未来】

今回は、少し偏った意見・視点で記事を書かせていただきました。

うんうん、賛成!という方も、

  • 寝ぼけたこと言ってんじゃねぇ!
  • 甘ったれるな!
  • ビジネス・サービス業に向いてねーぞ、てめー!!

なんて、反対意見の方もいらっしゃるかと思います。

 

ただひとつ言えることが、無料・サービス、または格安での洗車がディーラースタッフたちを苦しめていることは事実です。

 

ウチの近所のクルマ屋は、いつ行ってもタダで丁寧にきれいに時間かけて洗車してくれるぞ!

 

はい…。しかし、同じクルマ屋とはいえ大衆車ディーラー・高級車ディーラー・町のクルマ屋さん・ショップ、それぞれ収益構造も時間の使え方も異なります。

お客さまにとって同じクルマ屋でも、それぞれが「できる・できない」「得意・不得意」あるのがクルマ屋です。

 

最後に言いたいことは、ひとつ。

当たり前でしょ?風な感じで「オイル交換ついでに無料で洗車してくれ!」…みたいなのはやめてもらえると嬉しいです。

 

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